奇死怪生

柊 季楽

16歳になった少年の人生は、波瀾万丈に変わる。

第1話 プロローグ ~突然の政治会不法占拠と偶然のテロリスト~

「みなさんこれを見てください。これが、一般人は絶対に見れない政治会で会議されていることです。僕の知り合いには、政治会がうまく動かなかったせいで亡くなった人がいます。国民が非常の事件にあっているというのに、ここで出された政策で減った事件がいくつありますか?」


  そこまで言い終えて、僕こと時道ときみち奇等きらは、上を向いた。

今日は僕の十六歳の誕生日だ。

 しかし、今僕らがやっているのはパーティではなく政治会の占拠である。正確には会議中に乗り込んだのだが。現在この状況はライブ中継で、全世界に放送されている。外交官でもある叔父さんと僕の親友である来斗たちが、約20国語で字幕もつけてくれている。

 

ああ、母さん、父さん。僕はこれで人の役に立てるのかな。先(さき)も報われるの

  かな。

 

そんなことを考えていると、天井近くで「ガタン」と鈍い音がした。


何かが落ちてくる。しかも僕の真上に。それは地面には落としてはいけない気がして、僕は必死に受け取めた。バスケットボールのような形をしているそれには、くぼみがあり、

 

そこには、≪00:18:95≫と表示されていた。数字は刻々と減っていく。

   とっさに僕は叫んだ。


    「逃げろ、僕から離れて!! テロリストの襲撃だ!」


「は?奇等!どこ行くんだよ!」


「時道くん!」


「いいから、僕から離れて!あと18秒しかない!」


「おい!」


ざわざわと、政治家たちもあわてだした。


それを見てから、僕は全速力で屋上に走りこんだ。


≪00:05:97≫


もう時間がない。


幸いにも、僕は今防弾チョッキをきている。これで少しは衝撃が弱まるといいけど…


ああ、僕の一生も短かったな。今思うと、ロクでもない人生だよ。

まったく、不幸が重なりすぎだよ。あの政治家たちがこれからも生き続けるっていうのはむかつくけど、それでも、これでみんなが死ななくて済むのなら軽い犠牲だ。

カッコつけてるわけじゃなく、もうこれ以上人が死ぬのは見たくない。


「母さんたち、今そっちに行くよ。」


 諦めたように呟くと、

僕は時限爆弾を抱えて、政治塔から飛び降りた。


「きらああああ!」「時道くーーーーーーん!」


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