31話:『僕らの戦い(前編)』



スー:「これは聖戦だ」






今、スーはピーチの魔法によって、

巨大な像となって映されている。





ゴブリン軍:「うおぉぉぉぉぉ」





戦場に雄叫びがなる。




スー:「人間共は我々を裏切った」

  :「卑怯な手を使われ、我らの3賢者、前緑子は死んだ」

  :「真実の歴史を考えると、我々ゴブリンは酷い扱いを受け続けていたように思う」

  :「元は同じ人間だと言うのにも関わらず」

  :「しかし、我々は和睦の道を一度選んだ」

  :「復讐からは、新たな復讐しか生まないと、自分の感情を押し殺した」

  :「その気持ちをないがしろにしたのは、人間達だ」

  :「我々ではない」



スー:「もう我慢することは出来ない」

  :「この戦をもって、長いゴブリンと人間の因果を断ち切る」

  :「皆、準備は良いか?」




周りを見渡す。

一面のゴブリン兵。ドラゴン。

傍らにはピーチ。



ゴブリン軍A:「うおぉぉぉぉぉ」

ゴブリン軍B:「うおぉぉぉぉぉ」

ゴブリン軍C:「うおぉぉぉぉぉ」

ゴブリン軍D~Z:「うおぉぉぉぉぉ」

ドラゴン:「行くぞ、小童」

ピーチ:「準備オッケー♪」




一呼吸。




スー:「突撃!」











~人間サイド~




人間軍にはゴブリン軍のように、言葉で意思疎通が取れる技術はない。

なので、記号で伝える。

具体的には音、楽器だ。



オーランドという新たな王が、

命令を下した。




オーランド:「楽器隊。鳴らせ」



楽器隊A:「ブオーーーーーーー」



ラッパの音が鳴る。



それに反応するように、

全ての楽器隊が音を鳴らし始める。



楽器隊B:「ブオーーーーーーー」

楽器隊C:「ブオーーーーーーー」

楽器隊D~ZZ:「ブオーーーーーーー」



兵達はそれに続き、

地面を鳴らしたり、

雄叫びを上げたりする。



人間軍A:「うおぉぉぉぉぉ」

人間軍B:「うおぉぉぉぉぉ」

人間軍C:「うおぉぉぉぉぉ」

人間軍D~ZZ:「うおぉぉぉぉぉ」



オーランドの楽器隊の音が止んだ。

連鎖反応を起こして、各部隊に伝わった。

そして、静寂が訪れる。






オーランド:「全軍突撃!」












こうして戦は始まった。

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