【優秀賞】武田信玄Reローデッド~転生したら戦国武将武田信玄でした。チートスキル『ネット通販風林火山』で、現代の物をお取り寄せ無双して、滅亡する武田家の運命をチェンジ!
第19話 七変化する事、ヤマトナデシコの如し
第19話 七変化する事、ヤマトナデシコの如し
慌てて振り返ると男が
濃い茶色の地味な羽織袴姿で、髪を
顔も地味というか……ありきたりというか……とにかく印象に残らない顔だ。
男に敵意は感じられない。
「驚かせてしまい申し訳ございません。わたくし
妖怪じじい
俺は護衛の侍に刀を納める様に指示した。
書状を開いて読むと水が流れるような美しい字で手紙が書かれていた。
御屋形様
この
素破つまり忍者か!
これはありがたいな!
情報収集に強い人材は欲しかった。
無言で静かに
さっきの三人だ!
奇妙な事に三人とも同じ様な印象……同一人物に感じる。
だが……よく見れば別人だ!
すっかり
同じ人間が回り込んでいるのかと勘違いしていた。
「
「はっ……
「裏?」
書状を裏返すとそこには小さな文字で続きが書いてあった。
そうそう!
その悪戯で
ひゃひゃひゃ!
あの妖怪じじいめ!
俺の頭の中で
さて、
(鑑定!)
俺が心の中で『鑑定!』と呟くと
【
【三ツ者頭領:情報収集能力に秀でた忍び『三ツ者』を非常に良く統べ、自身と配下に一芸『七変化』を与える】
【七変化:あらゆる職業に扮装が可能になり、良く人の目を欺く。ただし、身分の違う職業には扮装出来ない】
ああ、なるほど!
この一芸『七変化』に騙されたのか!
「
「左様でございます。我ら三ツ者は、僧侶や商人に扮装して
「ふうん。素破や
「左様でございます」
「暗殺とか
「そうでございますね。出来なくはありませんが、正直あまり得意ではございません。その代わり三ツ者はみな読み書きが出来ます故、情報収集ではお役に立てると存じます」
へえ。読み書きが出来るのは凄いな。
この時代は義務教育なんてない。だから読み書きが出来るのは立派な特殊技能だ。
荒事はなし、情報収集特化。
現代の諜報員に近いかな。
「
そう言えば、
「
「はい。かつて富士山の北側には巨大な湖があったと伝わっています。本栖湖から河口湖まですっぽりと収まるほどの大きさだったとか。その湖がせの海です」
「それは随分と大きな湖だな」
「はい。しかし、およそ千年前に起こった富士山の噴火によりせの海は溶岩に埋まってしまいました。せの海の
「その人たちがせの海人か?」
「はい。しかし、なにせ千年も昔の話ですので、せの海人は伝承上の話かと思っておりました」
それはまたレアな人材が飛び込んで来たな。
「
「はい。
そうか住む所が無くなったから、神社に身を寄せたのか……。
気の毒だな。
災害で避難所に身を寄せた人たちを思いだした。
「相分かった。
「ははっ! ありがたき幸せ」
直臣というのは、俺の直の部下という意味だ。
この時代、忍者は侍に比べてランク下に見られる傾向がある。
だから直臣に取り立てられる事は珍しいし、かなりの好待遇だ。
「住む所がないのであれば、
「まことにありがとうございます! それでは一族郎党を連れて甲斐に参ります。皆喜びますでしょう!」
「うむ。それは良かった。ところで一族郎党と言ったが、全員で何人位いるのだ?」
「左様でございますね。三ツ者は約二百人。家族も合わせると千人ほどになるかと存じます」
俺と
顔を引きつらせた。
千人の住人が増える。
それ自体は喜ばしい事だ。
だが、住む家を用意したり、食料を手配したりと……。
金が……。手間が……。大変だ……。
その辺りをやる事になるであろう内政担当の
一方で安住の地を得た
「いやあ。お心の広い主君にお
「そ、そうか……良かったな……」
こうして俺は情報収集が得意な忍び集団と新たな住人を多数得た。
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