Tips .住民録⑤(仮)

 Et.13611

 記録者“メネ”


 備考:仮段階の為、閲覧制限をかける。


 名前: エーギル

 年齢:不明(本人も忘れているとの事)

 種族:深淵狗ハウンダビス(本人からの申請)

 性別:女性

 体重:59kg

 身長:168cm

 B :91

 W :77

 H :86


 容姿:

 灰かかった薄金色の髪と碧眼が特徴的な妙齢の女性で、全体的に色素が薄い為に病弱な印象を受ける。また紫蘭と同じ六叉鉾ロクサホコ刺青タトゥーを左胸に刻んでいたな。

 平均よりも少し瞳が大きく、やや童顔寄りではあるものの纏う雰囲気の為にそれほど子供らしさを感じない。……正直今までにないタイプだ。


 


 服装:

 トゥニカ、ウィンプル、ブラックベール、ロザリオと前時代的な修道服一式を常用している。野外でも動けるようにとハイカットブーツを着用しているようだが、修道服とはミスマッチな感じがある。

 またそれらは海洋生物らしきものの革をなめした素材で作られており、私達の知らない技法で作られていると思われる。それとトゥニカの両脇へ深いスリットを入れるなど、機動性を確保する為に改造を施しているようだ。

 予備の一式を除いて他に服装は無いらしく、交互に着回しているとの事。本人曰く、常用している修道服一式以外は着られないらしい。それが宗教的な誓約なのかは不明、本人もその理由については全く心当たりはないとの事だ。本人曰く幼少期には普通の服を着ていたらしいが、気付いたらこの服装を纏っていたのと話である。

 本人からすると、お洒落にはあまり興味はないとの話だった。



 備考:

 修道女として違和感の無い言動をしているものの中身は別物、これは本人も認めている。

 そして修道女としての立ち振舞いを心掛けていたのは、あくまでも俗世間に馴染む為らしい。確かに立ち振舞いは修道女として違和感はない、聖堂街あたりならば完璧に馴染めていただろうが……


 ソフィーティアが遭遇したという場所が場所なだけに疑惑は尽きない。彼女が何時からあの古びた廃教会へ身を寄せていたのか、何を待っていたのかなど晴らすべき疑念は数多くある。


 ……ただ、一番の謎はあの生命力だ。

 まさか首を断たれようと死に至らない存在がいるとは思っていなかった。腹に穴が開いても死ななかった紫蘭といい、深淵狗とは一体なんなんだ?

 そして残念なことに、深淵狗についての資料は極めて少ない。少ないと言うよりも、存在していた痕跡を誰かが意図的に消したのではないかと思う。天使達に協力を仰ぐべきなのだろうか?

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