焼きおにぎり

 ふと、焼きおにぎりが食べたくなった。


 子供の頃食べた、味噌を塗った焼きおにぎりが。


 冷凍庫に醤油の焼きおにぎりならあるけれど、


 そうではない、味噌の焼きおにぎりが食べたい。


 うろ覚えの記憶を頼りに、二つ作っていく。


 白ご飯を潰れたおまんじゅうみたいに握って、


 全体に味噌を塗る。


 そしてフライパンに油をひいて、焼けば完成だ。


「あれー?」


 お米が油を吸い、味噌が焦げ付いて結構欠けてしまった。


 テフロン加工の剥げてきているフライパン。


 なんとかしないとと考えつつ、


 焼きおにぎりを二個乗せたお皿に欠けた部分も乗せる。


「いただきます」


 油を吸ったご飯に、香ばしい味噌の香りと味。


 焦げもおこげ感覚で食べられて美味しい。


「ふう」


 お茶を飲んでひと息つきつつ思う。


 明日のお昼ご飯は、


 冷凍庫の醤油の焼きおにぎりと食べ比べしよう。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る