白の貝楼

音崎 琳

1.

 ざっ、と、幾千ものかけらが風に散る。視界に白が入り乱れ、息もつけないほどだった。

 視界を埋めつくしたそれは花びら――否、雪だった。

 渦を巻き乱舞する雪片が、身体を包みこむ。もう、何も見えない。

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