『小さなお話し』 その112

やましん(テンパー)

『絶望』

『これは、あからさまな、フィクションです。』



弟子


『お師匠さま。ぜつぼうとは、なんぞや。』



師匠

 

『絶望とは、自分をすべて、見失った状態である。』



弟子


『して、その、解決法は、なんぞや。』



師匠


『じぶんで探すことよな。具体的には、ひたすら、修行しかない。


 シュトレーベン。奮励努力である。


 楽器で言えば、練習である。ほかに、よい手はない。あの、あほの、やましんでさえも、うつ状態になり、まったく、楽器の音が出せなくなったときは、絶望しながらも、ひたすら、ただ、頭部管くわえていたらしい。』


弟子


『あのひとは、仕事はできないままで、その後、社会から消えましたから、参考にはならないです。まして、それでは、間に合わない場合は、どうするのですか?事実、多くの衆生が、絶望し、毎日、命を、断つのです。』



師匠


『重たい課題である。軽々しくは言えない。我々にできるのは、門を開き、祈るだけである。』


弟子


『やはり、そうですか。しかたがない。…………いや、いいです。』



師匠


『さようか。』




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



そのばん…………………


師匠


『あ、先生、お世話になります。はい、その後、命を繋いでおります。ときに、ご相談がありまして、うちの、門弟なのですが、ちょっと、危ないらしいのが、おりますが。…………………

あ、はい、では、連れてまいります。はい。』



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弟子  


  師匠のお伴である。


『どこに、はるばる、飛行機まで使って、行かれるのですか?』


師匠


『むかし、大いに、世話になった方の、おうちである。』



弟子


『ありゃあ……………あの、ここ、ですか。病院ですね。』


師匠


『立派な人物である。私の、命の恩人である。』



弟子


『そうして、ぼくの、おん出た、実家であります。大喧嘩しました。死ね、とか、言われました。』


師匠


『あら。え。………ま、話し合おう。ちょうど、よかったじゃない。ははははは。』

 



       こんかい、おしまい❗




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 (やましんは、ま、歳だしなあ。ちょっと疲れました。こんなの、続けてよいのかなあ。)

 




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『小さなお話し』 その112 やましん(テンパー) @yamashin-2

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