第12話 捨てられたポリ袋




街中宅地に なじみの音 軽トラおじさん移動販売車


主婦がパラパラ 周りを囲む


おじさんニコニコ愛想よく 品物入れようとポリ袋とる


その時 突風吹いて 


おじさん手から離れた ポリ袋一枚舞い上がる


舞い上がり飛ばされるポリ袋を おじさんチラ見だけ





真新しい 小さなポリ袋一枚


街中の公園の上を ヒラリ ヒラリ


風に乗って ヒラリ ヒラリ


「 なぜっ? って 聞かれても 」


「 ・・・・・・ 」


真新しい 小さなポリ袋 冷たい風に乗って ヒラリ ヒラリ






公園ベンチ足元に 浅いくぼみの水溜り


どっぷり浸かった ウインナーの空き袋


水溜りの水がなくなり ペッシャンコ


土が絡まり 泥まみれ


「 なぜっ? って 聞かれても 」


「 ・・・・・・ 」


空き袋一枚 捨て子 泥まみれ






街中公園 落葉樹 その木にもたれて


若い熱々男女の二人連れ


風のせいかわからぬが


ゆさゆさ揺れて 枯葉カラコロカラカラ風に舞う


「 なぜっ? って 聞かれても 」


「 ・・・・・・ 」


熱々カップル抱き合い一つ






街中小さい公園に 背丈の違う男児が二人ダダダダ ダ


片手に紙飛行機かかげて ダダダダダっと怒涛の如く入ってくる







紙飛行機飛ばし 飛行機を追いかける






男児たちの後についてきた 小太り親父も


必死になって 子供の飛ばした紙飛行機を追いかける







風に乗って ヒラリ ヒラリ


飛んでいる小さなポリ袋一枚 独り言




「 元の姿に帰りたい 帰りたいけど帰れない 」



迷子のポリ袋一枚 つぶやきながら・・・・・・



冷たい空っ風に乗って どこかへ飛ばされて行った







真昼の公園 ベンチから弁当食べて立ち上がる



どこの誰に 捨てられたか


泥まみれのウインナー袋 恨めしそうに見上げている・・・










                        了












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