第13話 リュース公夫婦とのお茶会

名だたる高名な黒の王族の血と

白の王族の血が入り交じり黒の大貴族リュース公


リュース家は歴史の話にも出てくる


初代は黒の王ヴァルーダ、風の王の従弟


風の王ヴァルーダ王は

その心は天使の様に

優しい善王で、優秀な薬師でもあり疫病の一つを根絶し


救世主の火焔の女王ヴァルジニテの父王


その彼の彼の親しき盟友で血のつながった従弟であった2代リュース公


母と妻は行き場のなくなった白の王族、その父は黒の王族…


2代には双子の弟がおり


彼が史上初の千年以上

血みどろの戦を繰り返してきた白の国との平和条約で


その証として白の国へ赴き、交換の人質となった…


しかし、わずか数年で条約は破られ、風の王は白の国の人質を無事に生きて返したが


2代の弟、彼は首を斬られ処刑され、

首は投石機で国境の黒の国の街に送り返され、胴体は行方不明…


後に2代目の弟の功績と長年のリュース家の功績により

三代目リュース公ワイアットは

誰もが羨む、豊かなる地シェスタを領地として火焔の女王から賜る


歴史書には記載されてないが、いつの日か訪れる

再び白の国との平和条約の為に


内密に白の王族との繋がりをせよと女王の命令を受けた…誰も知る公然の秘密


時に歴代の黒の王に抗い

密かに、戦争の捕虜を白の国へ無事に返したり


戦争で行き場のなくなった白の王族、貴族などを引き取り

あるいは黒と白の王達の庶子

哀れな子供達


殺されそうになったり

追い出された側室の王子や王女を保護して守った


その王子や王女は

リュース公の子供達や親族と婚姻する事となる


売られたり、奴隷商人に浚われた貴族の子供達を

救い保護する事も知られてる


慈悲深き誇り高き 黒の騎士

それが黒の大貴族リュース家…


しかし、長年の仇敵である白の王族や貴族の血を引き

白の王族の特徴を持ち


特に豊かな領地シェスタの主であることを

純粋な黒の血を誇りに思う一部の大貴族達に嫌られてる


「私達はアジェ様に大事にして頂き、この東屋に入る事を

特別に許可されました。

今後とも何卒宜しくお願いいたします…アリシア姫」


「あ…宜しくお願いいたします

とても優しい御言葉を頂いて感謝申し上げます


リュース公爵様」



「アリシア姫様、僭越ながら…

リュース公様達に

お茶とお菓子を差し上げては、いかがでしょうか?」

女官の一人が言う


「ええ…そうね

リュース公様方、お茶とお菓子を用意します」


「どうか、お座り下さい」


「有難うございますアリシア姫

御言葉に甘えます」



楽しい談笑の時間の始まり



遠巻きに 黒の大貴族達が東屋に通りかかり

冷たい視線と舌うちをして 足早に通り過ぎる

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