第16話 チキン、飼育小屋を進む。

「次は何が出るかな~! あはっはんー! いくぞ!」

「おお!」

「コケッ!」

 4つ目の飼育小屋に進む葉月、真理亜、チキン。

「ピョンピョン。」

「う、ウサギだ!?」

 待ち構えていたのはウサギであった。

「うさぎのお肉は美味しいのかな? ジュルジュルジュル~。」

 涎を垂らす食欲の塊の葉月。

「アンゴラか。カシミアじゃないけど軽くて暖かい。毛皮でセーターでも作るか。アハッ!」

 ウサギの毛皮を狙う真理亜。

「コケッ!」

 ここ、学校の飼育小屋じゃなくて、動物園かなんかだろう? と感じるチキン。人間よりもニワトリの方がまともだった。

「さあ! 次、行ってみよう!」

「ババンガ、バンバンバン! 歯を磨けよ!」

「コケッ!」

 次の飼育小屋に進む葉月たち。

「ギャオー!」

「ど、ど、ドラゴン!?」

 竜が待ち構えていた。

「なぜ!? 学校の飼育小屋にドラゴンが!?」

「そうか!? 生徒が消える怪事件の犯人は、生徒はドラゴンのエサにされていたからか!?」

「コケッ!?」

 おまえらもドラゴンのエサになれ! と切実に願うチキン。

「ドラゴンのお肉って、美味しいのかな? ジュルジュルジュル~。」

 怖いものなしの葉月の胃袋。

「ドラゴンの革製品って、見たことがないな。ネットオークションで売ったら、いくらになるだろう? アハッ!」

 商売人気質の真理亜。

「コケッ!」

 ドラゴンよりも強い人間の歪んだ姿を見て鳥肌になるチキン。

「面白かった? じゃあね~!」

「こらー! 次の飼育小屋に行くのよ!」

「コケッ!」

 終わらない旅を楽しむ葉月たち。

「ニョロニョロ!」

「へ、蛇!?」

 ドラゴンの次は蛇の飼育小屋だった。

「ギャアアアアアアー!? 蛇は怖い!?」

 葉月は爬虫類が苦手に思えた。

「イヤー!!! 何処のどいつが蛇なんかを飼育しているのよ!?」

 真理亜も女子らしく蛇は嫌いのようだった。

「コケッ!」

 おまえたちにも人間らしい所があったのか、と感心するチキン。

「蛇のお肉は美味しいのかな? ジュルジュルジュル!」

 食欲は恐怖を乗り越えた葉月。

「蛇皮のハンドバックとかあるよね。ということは、こいつの皮を剥いだら儲かるってことね。アハッ!」

 お金が大好きな真理亜。

「コケッ!」

 こいつらに期待した自分が恥ずかしい、と思うチキン。

「ネズミが来て、牛、虎、卯、辰、巳・・・・・・この並び方って、何かあるんじゃないかな?」

「謎解きか・・・・・・真実はいつも一つ! 一度は言ってみたかったんだ。アハッ!」

「コケッ!」

 おまえたちの探偵事務所は直ぐに倒産するだろう、と思うチキン。

「飼育小屋編も中盤を終わり、いよいよ物語はクライマックスを迎える! ジュルジュルジュルジュルー!」

「葉月ちゃん!? 涎が!?」

「コケッ!」

 今度は何を食べる気だ!? と思うチキンであった。

 つづく。

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