第33話 広まる噂
クィンサス王国で反乱が起きたという噂は大陸全土に瞬く間に広まった。
もちろんその結果も。
これが小国やただの王国であればそうはならないだろう。
周辺諸国で留まる程度になったはずだ。
しかしクィンサス王国には注目される理由があった。
そう、神獣だ。
クィンサス王国は建国時から神獣に守護された国として平和を享受していた。
神獣という存在一つで大陸中の注目を集める大国として認識されていたのだ。
そんな平和だった国で反乱が起きた。
であれば、各国がその実情を知ろうとするのは当然と言える。
そしてそれが噂となり大陸を駆け巡ったというわけだ。
『神獣に見放された国』
『神獣を手放した愚かな王国』
現在のクィンサス王国は各国でこう語られている。
そして各国上層部は神獣の所在を求めた。
神獣の守護を得ようと情報収集に奔走した。
そこで彼らはこんな噂を耳にする。
『かの大森林にて神獣の影あり。またかの地にて暮らす謎の少女たち』
まさかあの森で暮らす少女たちがいるなどと、信じられるはずもない噂。
しかし、各国は噂の真相を確かめるべく躍起になった。
もしその噂が本当だったら――――。
国にもたらす実益はどれほどのものか計り知れない。
様々な思惑が絡み合う中、少女たちは。
舞台は次のステージへと動き出す――――――――。
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