青白い月の光/Hope


人生の長い長い「待ち」の時間はいつ終わるのか


自分が主役になれる日はいつ来るのか


心の中で何度も自問してみる


何が間違っていたのか 何を変えればいいのか


繰り返される心の洗練 そして耐え切れない重圧と疲労


このまま考え続ければ 間違えなく選ぶであろう愚かな結論




気が付けばあの頃と同じ道を歩いている


景色のない暗い道 光の差しこまない窓


四角い部屋はまるで牢獄


画面に映っている何度も読んだ意味のない事件記事


自分の名前を被害者なのか 加害者なのか


愛されることを求めすぎて 愛されていたことにも気付かない




思考を直ちに止めるべき 思考を直ちに止めるべき


危険な思考は直ちに止めるべき 危険な思考は直ちに止めるべき




誰もが愛されたいこの世界で 人は決して誰も愛さない


自分だけが重要で特別で 自分以外は価値のないただの人形


愛を失った世界で 愛を求めて生きている矛盾




オレは一体何になってしまったんだ?


オレは一体何になろうとしているんだ?


オレは一体これをいつまで続ければ気が済むんだ?




時間を作った人間を認めない 時間の存在を否定する


時間はそこにはない 時間はそこにはない


未来もなく過去もなく あるのは今この瞬間だけ




過去の傷はゆっくりと消えていく


未来の恐怖もゆっくりと薄れていく




今この瞬間に笑顔を作って確認する


まだ生きていることと まだ生きていけることを




夜道を照らす青白い月が好きだった


あれが希望の光というものだろうか……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る