旅立ちの朝/Wait


運命って言葉に胸踊らされて

いい気になって 全てを受け入れて

楽しい思い出だけを 貪り喰って

次の瞬間 バスは僕を置いていった


ひとりだけ取り残されて

世界は自分を嫌っているんだ

被害妄想も理想的な具合に僕に降り注ぐ

雨上がりの虹はまだ見えず

地面が固まったとしても 僕はまだ変われなくて

行き止まりの壁を叩いているだけ

後ろを向いて 前に進もうって

そんな都合のいい話 あるわけないじゃん!


寂しい自分を殴れるだけ殴って

空が落ちてくること お祈りしちゃって

間違っていることだけを 盲目的信仰

止まりたいけど 心臓の音は聞こえ続ける

泣きたいのに声は出なくて

そんな努力すら嫌になって


ひたすらに明るく前向きになんか生きていけなくて

息が詰まる思いだけで窒息しちゃって

不幸な言葉遊びから 何かが生まれるわけもなく

僕はただ ひたすらに後ろ向き


ドアを開ければ そこには一匹の猫

僕の唯一の友だち

さようならの言葉

旅立ちの朝

雨の中のバス

僕は迷わず飛び乗った


探しているものは何でしょう?

散々迷った挙句

僕はバスに飛び乗った?

それとも迷わず飛び乗った?

とにかくバスは行きました

僕を乗せて走り出したのです

それが旅立ちの朝

それが旅立ちの朝

それが旅立ちの朝

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