第16話 魔王様!まさかの宴は、正気ですか!?

 魔王様の瞑想の間、「イタイ、イタイ」と、ムチロリっ子たちが叫ぶ中、魔王様はついに答えを出した。


「こんなに愛されてるなら、いっちょ盛り上げてやるか!」


 魔王様は、円形の舞台を作り、ふたりばかりのとりまきを連れ、大宴会を始めた。


「みんな、今日はなんだか楽しいから、遠慮なく盛り上がれ!」


 魔王様の命令とあって、余興をしたり、ラッキースケベをしたりするムチロリっ子であったが、


「魔王様も一杯どうぞ!」

「なに? わしにしゃく? 貴様何者だ!」

「えっ、イタイ、イタイ」

「そんなごまかしが通るか!」

「イタイ、イタイ」

「もう、こんな会、興覚めだ!瞑想に入ってくる。貴様には、こんな時にとっておいた、御褒美を上げよう。あーんして。」

 ムチロリっ子は、何とか生きたいので反抗できない。

「砂糖を刷り込んであげるよ。」


 魔王様は、相変わらず抜け目がなかった。いつ、魔王様以外の世界が来るのか?

 ムチロリっ子も、徐々に姿を消していった。魔王様の瞑想は長く、魔王様のクリーチャーの寿命は短い。

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