「絶望」〈???×リラ〉
リラ side
暗闇の中、ぱっと目が覚める。
電気をつけるため、立とうとすると、じゃらっ…と、鎖の音がした。
目を凝らしてみると、手足には、重そうな枷がつけられていた。
落ち着いて、辺りを見回すと、
少し離れた棚の上に、見慣れた香水のビンが置いてあった。
よく見ると、家具の配置や、扉、窓の位置。
全てが___先輩の部屋にそっくりだった。
"あの人は、こんなことしない"
"同じ香水なんて、いっぱいある"
"絶対、違う………"
違うと、信じたくて、頭の中でそう呟く。
と、同時に、ゆっくりと開かれた部屋の扉。
入ってきた人を見て、目を見開いた。
…綺麗に切りそろえられた紫色の髪。
暗闇でも輝く、黄緑色の瞳。
『な…………んで……?___先輩………?』
目の前の人は、ふわっと優しく微笑み、
「なんで…?
そんなの、リラちゃんのこと、愛してるからに決まってるでしょ?」
さも当然かのように、言う___先輩。
するっと頬を撫でられ、
耳元で、恋人にかけるような甘い声で
「これで、ずーっと一緒にいられるね
私のリラちゃん♡」
と、囁かれた。
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