「君に会いたい」〈リラ×りぃな〉
りぃな side
茹だるような暑さが目にしみる日だった。
君は、私を置いて逝く。
遺していったのは、写真が入ったペンダント。
目の前で横たわるのは、リラを見て止まらない涙。
そんな私を見てか、リラが
"笑って"
と声にならない声でそう言った。
ゆっくり閉じられた目。
その直後、
"ピーーーーーー"
という無機質な音が病室に響く。
もう聞こえない呼吸音。
もう動かない心臓。
まだ、話したかった。
行きたいところだってあった。
目を覚ましてと、願いながら体を揺する。
背後から、お義母さんの止める声が聞こえる。
それを無視して、リラの胸元へ顔を埋め、
『リラのバカ』
と。
もう届かないことは分かっている。
分かっているのだけど………
"もし、神様がいるのなら、
リラが苦しまなくてすむ世界に"
そう、願ってしまう。
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