「私が生きた場所」〈まろん〉
まろん side
私が生きたのは、街灯の灯らない街。
覚えているのは
夜に見られる星たちが、街灯の代わりになろうと言わんばかりに輝いていたこと。
空に向かって伸びる花たちが、心地よい風に吹かれ揺れていたこと。
五月蝿いくらい、脳に残る子供たちの声。
鈴の転がるような声で笑う愛しい人。
今はもうないあの暗い街。
全てが懐かしい。
あの街で、沢山の事を知りながら、
私は生きていた。
他の人があの街のことを忘れても、私は覚えてる。
あの街は私の生きた場所だから。
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