「自分だったら良かったのに」〈こんぷ×翠雨〉

こんぷ side


「ぁああ…あぁぁぁああ!!!」


目の前に横たわるのは、私にとっての恋人だった人。


ダンジョン内で魔物に襲われ、呆気なく死んでしまった。


魔物に背中を向けて倒れているところを見るに、私を守ってくれたのだろう。


…私が殺した。


私が、気を抜いていなければ、翠は死ななかっただろう。


好きだと笑ってくれた、恋人はもう居ない。


私が殺したのだから。





静かなダンジョンに私の鳴き声が響く。


冷たくなっていく、恋人を抱きしめ言う。


『ごめんね、ありがとう、愛してるよ』


と。


小さく、聞こえるはずのない返事が聞こえた気がしたした。


"私も愛してますよ、こんぷ姉さん"

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