「またね」〈リラ×まろん〉

まろん side


またね」


そう言って戦場に向かったあの子は帰って来ることは無かった。


戦争が終わり、戻ってきたのはあの子が毎日手入れ

していたククリナイフのみ。


鈴の転がるような声で笑うあの子の声を、私が呼ぶと、ぱぁっ…と顔を輝かせるあの子を、もう見ることは出来ない。



後を追って逝ったら、あの子は怒るだろうか。


あの可愛らしい声で、


「なんで来たん!?」


と、怒鳴るだろうか。



私はあの子無しじゃ生きれない。


あの子がいない世界で生きていく意味なんてない。



『今から、会いに行くからね』


そう呟いて、首を吊る。




"来世でも一緒に居れるといいね、



リラちゃん"

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る