つれづれなるままに

みーみ

第1話 趣味の日々

 日記を書こう。

 そう思ったのは確か、三年前のことだ。最初はダイアリーに直接、メモをしていた。その日あったことを。

 だが、ダイアリーだと日付の欄が小さく、結局書ききれず、ノートを買って、そこに思いの丈を存分に書こうと決めた。

 よかったこと、辛かったこと、ぜーんぶ、このノートに書いた。

 笑った時、うれしかった時、泣いたとき、どうしたら良いかわからないとき…。

 本当はこれらの日記を捨てようと思っていた。辛いときのことを書いているのが多くて、読み返すのが辛かったからだ。

 でも、この「カクヨム」を教えてくれた友人がいて、過去に書いたものや、今感じていることを、記録してみようと思った。

 こうしてPCで日記を書くのは初めてで、“どきどき”でもあるが、誰かがこれを読んでくれたら、これ以上の幸福はない。



 さて、今回は、過去のことではなく、今感じていることを書こうと思う。記念すべき第1話であるからだ。

 最近、といっても一年前のことではあるけれど、詩集…ではない、刺繍を始めた。刺し子を知っている人はおられるだろうか。ひょんなことから、私は刺し子に出会い、その面白さを知った。

 材料や針、手順書等が全て一つの袋に入っている「キット」で、コースターを作った。

 なんて楽しいのだろう。静かに時間が過ぎていくし、心地よい…。心の中で、ひそかに私はわくわくしていた。

 こんな面白いものがあるなんて!

 それから私は刺し子ではなふきんを作り、どんどんその刺し子なるものに、のめり込んでいった。

 そんなある日、これまたひょんなことから刺繍をやってみよう!と思った。フランス刺繍である。

 私の母はクロスステッチという刺繍を、私が小学生の時にやっていた。だから、刺繍糸と布が余っていたのだ。こんなお宝がこの家にあったなんて…、と私は思わずにはいられなかった。

 材料は沢山あったので、ほぼ無料でフランス刺繍を始めることが出来た。母に感謝である。

 書店で刺繍初心者の本を購入し、まずは練習から始めてみた。…やはり簡単には縫えない…、などと思っていたら、母が「すごい!出来てるじゃない」と褒めてくれた。有頂天になった私は、その後次々と作品を作り、縫いまくった…。ついでにミシンも使えるようになった!この私が!

 その時の私は、本当に不思議な気分だった。

 まさか私が手芸をするとは…。家庭科大嫌い、針苦手、家庭科の調理実習なんてもってのほか。

 本当に不思議なことがあるものだな、と思った。

 


 そんなこんなで一年が経ち、今でも刺繍をやり続けている。沢山の作品を、大切に保管している。刺繍をしているときが一番幸せだ。新たな趣味を見つけられたことも、今でもそれを続けられていることも、両親や友人のおかげだ。

 そして最近驚いていることは、「私も刺繍をやってみようかな」と言う友人や知り合いが現れてくれたことだ。

 すごく嬉しい。

 自分が好きなことが、周りにも広がっていく…。それがとても嬉しくて、不思議で、なんだか宇宙を感じる。

 

 今、趣味が欲しいなあと思っている人がいたら、刺繍やってみない?と伝えたい。

 刺繍でなくても良い、編み物や…、そうだな、ミサンガでも良い。手芸店に足を運んでみるだけでも良い。可愛いなと思った生地を購入してみるのも良い。キラキラ輝いているビーズを手に取ってみるのも良い。

 新たな世界があなたの前に現れますように。

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