第11話 クトゥルフ3

 クーちゃんは大きくなっていた。


 元々小さくはなかったものの、抱っこ可能な大きさから、背に乗って移動が可能な程に。



 綺麗な朝日が差している。


 良い一日の始まりだった。



 猫の背で今日も河童娘は機嫌が良い。



 「いっくよー」



 今日も漁へ向かう。


 彼女の股の下でクーちゃんがにゃーと鳴いた。


 もふもふと歩く。


 

 すぐに湖に着き、猫足が湖面へと。


 毛並みが水を弾きキラキラと輝いた。



 そのまま波打つ水の上をゆったりとポイントまで歩いて進む。




 河童少女は特に驚く事もなく、今日もキュウリを齧る。


 クーちゃんは移動式魚群探知機として少女を連れていく。

 


 陽射しの強さ、風の強さ、水温の差異。



 クーちゃんの髭がピンと張る。


 大漁の予感に、今日も良い音を立てて少女がキュウリを噛み切った。



 辺りにカリッと音が響き、少女の足元へ巨大な影が浮上を始めた。

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