ボクとキミと、あの子

空白

第1話

ボクとキミは、同じ日、同じ時間にこの部屋にやってきた。

キミは、降り立った瞬間はおどおどしてたけど、今ではすっかりやんちゃに元気にはしゃいであの子に怒られることもしばしば。

そんなキミの隣で、ボクは欠伸をしてうとうとうたた寝する。

元気なキミとマイペースのボクは、まるで似てない。

本当に似てない双子。


今日もキミは朝一番に起きて、元気に「おはよう!」「おはよー!朝だよ!」って声を高らかに叫ぶ。

キミの声にボクは瞼をゆっくり持ち上げる。

うーん、まだ眠い。

ボクはキミと違って朝が少し苦手。

でもキミは返事をしないと、ボクの周りをぐるぐる駆け回るから、「おはよう」と眠気を含んだ声でいう。

キミはふにゃりと笑って「おはよ!」って声を上げる。「おはよう!」「おはよ!」と元気に、すやすや眠るお寝坊なあの子に向かってジャンプ。

綺麗な着地とともに「ぐぇ」と蛙がつぶれたみたいな声が漏れる。


「……なんだ、いきなりって……またお前かぁ」


あの子は眠そうに眼を擦りながら、キミの頭を撫でる。

その行為がちょっぴり羨ましくて、ボクもあの子のもとへと近寄る。

「おはよう」

優しいあの子の手がふんわりとても気持ちよくて。

ボクは咽喉を鳴らす。

つい嬉しくって、ボクは鳴いた。

「にゃぁ」ってね。

そしたらキミも嬉しそうに吠えたんだ。

「わんっ」とさ。

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ボクとキミと、あの子 空白 @nightsky27

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