第21話 次の目標。そして凍夜とめぐみは子作り活動!?
翌日、碧陽野球部は朝練をしていた。甲子園が終わり、次は秋の大会だが
少し部員達のテンション?が落ちていた。普通に練習はするのだが
どこかやる気がない。昨日の疲れもあるが、それを見ていためぐみが
全員を呼び集める。今は洋子は来てないのでめぐみが聞く。
「皆、疲れてる?」
「それもあるけど」
「ああ。なんだろうなこの気持ち」
「達成感?それとも」
「敗北感?」
「いやいや、優勝したんだからそれはないだろ」
「じゃぁ」
「満足感ね。今までだらけきってたのにそれがいきなり甲子園を目指して
しかも、優勝までしちゃうんだもん。たった数か月だけど満足感は
半端じゃないわね」
「そうだよ。しかも、俺ら三年はどうせ地区大会で引退だと思って
たのに、夏が終わっても次の大会を目指すなんてな」
「終わってもいいんだが、どうせなら本当に最後までやりたいよな」
そんな感じで三年は最後まで残ってやるみたいだ。そうさせた
本人の凍夜は部活には来てなかった。まだ病室に居て、そこには
洋子が来ていた。
「大丈夫です。動いてもかまいませんよ」
「本当ですかお母さん」
「ええ。まぁ本当はずっと病室にいないといけないけどね。でも、それよりは
外に出て楽しい事をさせたいと思って学校に行かせました」
早苗の話を聞く洋子。これからは凍夜の一番大事な命の事を考えないと
いけないので、早苗に聞きに来たのだ。
話を聞き、早苗も仕事に戻る。
「長峰君、これからどうするの?」
「どうするかな。目的は成し遂げたからな。あと二年、どうするか」
「二年、私でも何もなければ何十年も生きれるのにあなたは」
「気にするな。人の寿命はそれぞれだ。それが早いか遅いかだけの事」
「だとしても早すぎるわ。大人に、なる事もできないなんて」
「それが俺の運命だ。あんまり気にするとあんたもおかしくなるぞ」
「変われるなら変わってあげたいわ。子供が先に亡くなるなんてのは
みたくないもの」
洋子は寂しそうにしながら部活に行く事にした。凍夜はこのまま病室に残り
夏休みの残りも病室に居て、部活にもでない事にした。
その間に遙達が来たりして、まるで自分の家の部屋みたいな感じになっていた。
そう思ったのは毎日めぐみが来るからだ。
夏休みが終わる三日前、めぐみはここに泊まりに来た。
「まさか、病院に泊まるなんてね」
「ならめぐみの部屋に行くか?」
「それもいいけど、うちだと親がいるからね。エッチな事はできないよ」
「それがメインなのか?」
「ダメ?」
「ダメじゃないが」
めぐみが凍夜を押したおす。終わった後、めぐみが凍夜に聞いた。
「ねぇ子供作りたいっていったら怒る?」
「子供?」
「うん。あなたとの赤ちゃん。ほしいなって」
「お前がそうしたいならいいが、絶対苦労するぞ。子供が物心つく頃には
俺はいないだろうからな」
「だとしても、あなたの子供が欲しい。これから毎日子作りしようね」
そうして凍夜はめぐみと子作り活動する事になった。
そんな感じで夏休みが終わり、二学期が始まるが、その式にはマスコミが
多く来ていた。連日取材が途絶える事がなく、碧陽は今や日本一知られる
学園になっていた。
式が終わり、野球部はグラウンドに集まる。今日は部活はないのだが、
これから目指す目標を考える為に集まった。制服ままだがそれでも
取材陣が野球部を撮っている。
「じゃぁ皆のこれからの目標を書いてね。甲子園は優勝したけど、これから
それを連覇する事が大事だからね。でも、必ずできるわけじゃないから
それをどうすればできるかを考えて」
洋子に言われて皆メモに書き込んでいく。そうしてまず目標を
発表していくのだが、ここにいる全員が同じ答えを出していた。
それを洋子が発表する。
「甲子園三連覇!皆同じだけど、これは」
「俺から言います」
言い出したのは遙だった。
「長峰がいる間に三連覇を成し遂げたいです。そうしたとしても
長峰が長く生きられる事はないかもしれないが、それでも俺達と
一緒にいた事を後悔させない為に甲子園三連覇を目指したいです」
「だそうだけど長峰君」
「ま、いいんじゃないか。ただ、俺がいつ倒れるかはわからんぞ。明日
今日死ぬかもしれないからな」
「そんな事言うなよ。絶対、俺らがお前を死なせない。お前は俺らの
希望なんだからな」
力強く言う遙だが、マスコミが聞こえないぐらいの声で話していた。
そうして一日目が終わり、凍夜はめぐみと一緒に帰る。
「皆、良い人だね」
「良すぎだな。他人にそんな事ができるなんてな」
「他人じゃないよ。凍夜は皆の仲間なんだから。そして、私の大事な
旦那さん」
「まだ結婚してないけどな」
「ならしましょうか」
「俺がまだ18じゃないぞ」
「じゃぁあなたが18歳になったらしましょうね。たぶん、先に子供が
できるかもしれないけどね」
「ま、そこまで生きれたらしてやるよ」
凍夜は無理だと思っていたが、それでも、めぐみの為に少しでも今は
生きて行こうという意識が強かった。
それから数日が経ち、次の日曜日に碧陽は練習試合をする事になった。
もう碧陽には毎日の様に練習試合の申し込みが来ていて、それは
全国から来ていた。そこで洋子が二学期になって最初に練習試合を
する相手を選んだ。その選んだ相手は同じ地区で、大会でも戦ったあの
風花を選んだ。
そこを倒せるようになれば甲子園に行ける可能性が高くなるからだ。
凍夜がやれば簡単に勝てるが、洋子はその凍夜なしでどこまで
戦えるを見たかったので、この試合では凍夜を控えにする事に
していた。凍夜の負担を軽くする為でもあった。
そうして練習試合の当日になり、試合をする場所は今回は碧陽の
グラウンドになっていたので、相手の風花学園その時間になり
やってきた。
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