13-9 魔王


 落ち着いたら、腹の傷の痛みがぶり返してきた。

 勇者みたいに神人の称号にも自己回復の効果がありゃ助かるんだが、そう都合良くはいかないか。


 内臓のいくつかが駄目になっているのが自分でわかる、〈獣性解放メタモルフォシス〉を解いたらそのまま死んでしまうだろう。

 キャロラインがまだ魔精石を持っていたはずだ、そいつを使って治療してもらうしかあるまい。


「リットすまん、治療を」


 頼む、と言いかけたところで、ぐらりと頭が揺れた。

 妖刀の能力を共感した影響が残っているのかと思ったが、こりゃ単に体力と魔力の限界だな。


 気息の革鎧ブリージングメイルが壊れて補助がない状態で、魔力を馬鹿食いする紅天羽衣フーリーショールを使いまくったのが良くなかったか。

 なんて冷静に考えながら、俺は意識を手放した。


 誰かが俺の名を叫び──閉じた瞼を持ち上げると、暗闇の中にいる。

 まずいぞ、この場所には、覚えがあった。


 以前、邪教団の首領に〈虐殺エクスターミネイション〉を浴びて死亡したとき、ここにきたんだ。

 蘇生して目が覚めた後には忘れてしまったが、今なら思い出せる。ここは……


「死後の世界、か」

「ちげえよ」


 つぶやいたら、即座に否定された!? 驚いて声の方を向くと、そこには目つきと顔色の悪い、しょぼくれた感じの男がいる。

 黒髪黒目で顔の凹凸が少ない人族ヒューマであるが、何故か俺には、そいつが魔王──シミズ・ツバサだとわかった。


「それが、お前の本当の体ってわけか」

「『本当の』と言われると、微妙だな……前世の姿なのは、たしかだけどよ」


 暗闇に浮かぶツバサは口の端を歪め、背後に顎をしゃくった。


 そちらに視線を向けると、黒一色で塗り潰されたかに思えた空間に、なにか巨大なものが存在していることがわかる。

 目を細めて観察すると、でこぼことした表皮を持つ太い筒が無数に、くねりながら絡み合っていて。


「木、か?」

「お前らの言う、生命樹だ」

「はぁ!?」


 たしかに木ではあるが、なんというか不気味、そして無機質だ。


「実態は、多次元からエネルギーを吸排出する、循環パイプみたいなもんだ。オレたちは『外側』から、世界を俯瞰しているんだよ」


 ツバサは、わけのわからないことを言う。

 これが、世界? 視線を上げても下ろしても、『生命樹』の末端は見えない。闇の中で距離感が曖昧だが、山脈のような大きさなのは窺い知れた。


 よくよく見るとその表面に、紙魚か虱のようなか細いものが蠢いている。

 表面の隆起の陰に隠れたなにかを、追い立てているようだ。


「アレが、『生命樹の育て主』ってやつだ。バグを駆逐する掃除屋だな」


 マルグリットが崇敬して止まない生命樹の上で、神と呼ばれる存在が、蠢く埃めいたものを捕らえて食らっていた。してみると埃もどきが、『虫』とやらか。


「肉体を乗っ取られてわかったんだがな、オレに神と名乗ったのも、虫の一種だ。掃除屋どもに対抗するため、世界を荒らしたかったらしい」

「そんな……」


 じゃあなんだ。俺たちは、世界は、あんなわけのわからないものに振り回されていたってのか。


「そう悲観したもんじゃねえよ。次元が違えば、姿も存在理由も違う。単細胞生物からすりゃ、人間の心が理解できないのと同じだ」


 慰めになっているんだか、いないんだか。


 しかしたしかに、慈愛に満ちた存在でなかったとしても、生命樹は白魔術の使い手の祈りに応えてくれる。

 風や陽射しに意志がないのと同じで、そこに愛や思いやりといった心がなくたって、人間は勝手に恩恵を感じ取れるのだ。


「それでもリットにゃ、教えない方がいいかもなあ……」

「どのみち伝えようがないぜ。今はその神石とやらの効果でアレを認識できているが、生身に意識が戻れば、いま視ているものは言語化できなかろうよ」


 そういうものなのか。そういえば俺と融合した石は、古い神の欠片なんだっけ。

 つまりは遠くに見える、掃除屋とやらと同じ存在なわけだ。


 神石を移植されたときに様々なものを見たが、なにも思い出せなかったように、いま見聞きしていることも忘れてしまうのだろう。

 下手に覚えていると心を病んでしまいそうだから、その方が良いとは思うけど。


「しかし、戻れるのかね」

「戻れるさ。オレと違ってな」


 肩をすくめて見せるツバサ。

 声に若干の棘があるのは、こうして会話をしていても、決して気を許していないという証左か。


「……お前は、なんで魔王になんか、なったんだ?」

「なりたくてなったわけじゃねえよ。自国を発展させるために軍団を作って、てめぇらの大陸に攻め込んだら、勝手に称号がついたんだ。おそらくバグ野郎の仕業だな」


 ふっ、と自嘲して見せる。


「それを言ったら、クソみてえな生まれ変わりから全部、ヤツの仕業か」


 異世界から転生してきた、とツバサは言っていた。

 初代勇者が魔術によって召喚されたように、こいつも大魔王を名乗ったあいつに、呼び出されたのか。


「てめぇが羨ましいよ。世界に祝福されて、勇者一行として魔王を退治する。すげえや、バリバリ主人公だ。その上、リア充ハーレムのチート野郎ときた」


 遠く生命樹を眺めやりながら、ツバサは苦々しげに言葉を重ねる。

 ところどころ意味不明な単語が混ざるそれは、独り言のようであり、恨み節のようでもあった。


「オレはといや、こっちに来ても疎まれて嫌われて、やっと手に入れたちっぽけな物も奪われて……どいつもこいつも寄ってたかって殺そうとしてきやがるくせに、誰もオレのことなんざ『魔王』としか見やしない!」


 喋りながら興奮してきたのか、いつかのように怒りと苛立ちに満ち満ちた気配を発し、激昂するツバサ。

 その怒りは俺を飲み込んで、竦ませる。


「なあっ! オレとてめぇの、ナニが違うっていうんだよ! あぁっ!?」


 ここが特殊な空間だからか、やつの感情が、記憶が伝わってきた。


 違う世界で生まれ育ったこいつは、現状へ不満を抱えながら、望まぬ形で死んだ。

 その魂が魔族の国の王子に、歪んだ形で押し込められて、異常な能力を与えられた上で世に放たれた。


 推測するに、大魔王を名乗ったあいつが、魔王の器として育てるためにやったのではないか。

 秘められた思惑はともかく、ツバサは国の王として大勢を殺し、やがて旧大陸に攻め込んできたってわけだ。


 怒りに囚われ憎しみに駆られ、痛みと苦しみを一身に背負いながら、自分自身どうにもならなくなって……最後には、世界から見捨てられた。

 こいつのやったことは到底、許されることではないけれど、哀れにも思う。


 幸せな瞬間は、たしかにあった。安らげる時間も。


 だけどその全てが、指の合間をすり抜けていった。

 幸福は幻ではなかったけれど、けして取り返せないものだと思い知らされた。


 世界に祝福されたかった。


 お前はここにいていいんだよと、認めてほしかった。


 痛いほど、ツバサの心情が伝わってくる。

 こいつの怒りや苛立ちは、自分を棄てた親や愛した女を殺した敵、道具として利用してきた大魔王、痛み苦しみ恨んでくる無数の犠牲者に向けられたものじゃない。


 なにをやっても上手くいかない、大きな失敗をするために小さな成功を積み重ねるような、そんな虚しい人生に対して――嘆いているんだ。だけど。


「その手段として殺しを選んだ時点で、お前は間違っているよ」


 偉そうに言える立場じゃないとわかっていても、俺はそう伝えるしかない。

 俺たちだって世界を平和にするために、こいつを殺そうとした。結局、障害を排除することでしか目的を達成できなかった時点で、俺もこいつも本質は変わらない。


 それでも、こいつを止めなければ、もっと多くの人が死ぬ。

 それだけはたしかだ。


 仲間たちのことを思う。

 勇者の家に生まれたアレクシア、聖地の長の娘であるマルグリット、類い希なる才能に恵まれたキャロライン。


 始まりから特別だった彼女らは、ひたむきに努力し勝利を掴めるだけの下地を、最初から持っていただろう。

 でも勇者は生家では兄の予備扱いで、聖女は故郷を封印されて流浪を強いられ、魔女は周囲に馴染めず孤高を貫くしかなかった。


 アレクシアが優しいのも、マルグリットが賢いのも、キャロラインが強いのも。

 全ては彼女らが選んで悩んで自省して、正しく善良であろうと、歯を食いしばって努力してきたからだ。


 俺だって見下されがちな獣族セリアン、中でも嫌われ者の鬣犬ハイエナ氏族に生まれて、鬱屈した半生を送ってきた。

 今、望外に幸福な境遇にいられるのは、仲間たちのお陰だ。


「ハッ。結局、運次第ってことじゃねえか」

「そうかもな」


 ツバサの皮肉には、素直に頷くしかない。

 アレクシアたちと出会ってともに冒険し、過ごした日々が、俺を少しはマシな人間にしてくれた。


 だけど求められた仕事を必死にこなし、些細な躓きで不利益をもたらさないよう慎重に事態を見極め、倦まず弛まずできることを増やし続けた。

 うつむかずに、安易に奪ったり傷つけたりしない生き方に、縋りついた結果だと思っている。


「お前の言うとおり、俺は運が良かった。だからこそ、この幸運を手放すわけにはいかねえよ」


 大魔王にいいように操られたツバサには、同情するけれど、こいつを許すわけにはいかない。

 俺は、俺の愛する少女たちを、幸せにしなきゃいけないんだ。


 だから――


「お前とは、ここでお別れだ」


 この寂しい場所で、こいつがどうなるか。

 大魔王に体を乗っ取られたということは、あいつの代わりに『虫』として駆除されてしまうのかもしれない。


 世界中を恐怖で支配した魔王の末路としては、あまりに虚しく、切ない結末。

 しかしそれが、こいつの受けるべき報いであった。


「けっ。最初から、道連れにする気なんかねえよ」


 あたりを覆う暗闇に、光が差した。

 か細い一条の光が俺を捉えて、どこかここではない場所へ引っ張ろうとしている。聖女の呪文が俺の肉体を癒やし、甦生させてくれたのだろう。


「じゃあ、なんでわざわざ」

「……誰かに、聞いてほしかったのかもな。後は、ソーマのことだ」


 卑屈そうだった目つきが、そこで初めて、真摯な色を帯びた。

 ずっと正視を避けるように泳がせていた眼差しが、ひたりと俺に据えられる。


「頼めた義理じゃないのは承知で、頼む。あいつは、巻き込まれただけだ。だから殺さないでくれ」

「今さら部下の命乞いかよ」


 そう答えつつも俺はツバサの――おそらく最後の――願いを、聞き入れる気になっていた。“緑道ろくどう”には一度、見逃してもらった義理がある。

 それにここが死後の世界でないとしたら、俺が呼ばれたのはツバサの意志だ。


 大魔王がこいつにそうしたように、不安定な魂を引きずり込んで、影響を与えられるに違いなかった。

 手のひらを返して巻き添えにされたら、たまったもんじゃない。


「……見逃すだけだぜ」

「ああ、後は自分でなんとかするだろうさ」


 その『なんとか』の結果、俺たちや無辜の人々に害を為すようなら、結局は討伐するしかないけどな。

 まあツバサの言いようからして、そんな危険はないと思いたい。


 それ以上の言葉を交わすことはかなわず、俺は光によって、暗がりの世界から引っ張り上げられた。

 なんだか釣られた魚みたいだな、なんて場違いな感想を抱きながら、ぐんぐん遠ざかっていくツバサを見る。


 礼なのか詫びなのか、深々と頭を下げるのが、最後に目に入った。


 * * *


 はっ、となって目を覚ますと、涙目の少女たちが俺を見下ろしていた。


「良かった、イアンっ!」


 逆向きのアレクシアの顔が迫ってきたかと思うと、柔らかな感触に包まれる。

 縦向きに膝枕をしてくれていた彼女が、上半身を屈めて抱きついてきたせいで、胸に顔が埋もれたのか。


「ちょっと、アレク! それじゃイアンが窒息しちゃいますっ」

「ふっ、美少女の柔肉に包まれて昇天できるなら、イアンも本望じゃないかな」


 勝手なこと抜かすな。素晴らしい肌感といい匂いがするけれど、さすがに蘇ったばかりでまた死にたくはなかった。

 腕を伸ばして触れた体――手応えからして、尻だな――を何度か叩き、拘束から解放してもらう。


「悪い、最後の最後で迷惑かけた」


 上体を起こして腹を確認すると、火傷は綺麗に消えていた。

 遷祖還りサイクラゼイションも気絶している間に解除され、鎧や上着も脱がされたのか、地肌がそのまま見える。


「いいんです。念のために、魔精石を残していて良かった」


 傍らに跪いたマルグリットが、涙を浮かべたまま笑みを浮かべる。

 勇者以外の三人で一個ずつ分け持っていた、ネスケンス師謹製の大型魔精石。大魔王との激戦の間に使ったものだと思っていたが、保険で取っておいていたのか。


「ボクの持っていた中級の石じゃ〈甦生リザレクション〉の代償にはならないからね。いい判断だったと思うよ」


 反対側に座ったキャロラインは冷静に解説してくれるが、その目は赤い。

 背中にしがみつき、ぐりぐりと頭を押しつけてくる勇者は、言わずもがなだろう。


 ああ、また心配かけちまったな。まったく、支援職のくせに助けられてばかりだ。


 それにしても、気を失っていたときに魔王と交わした会話。


 あいつの事情以外にも、一介の冒険者には重すぎる世界の秘密を教えられた気がするが……駄目だ、なにやら恐ろしい物を見たというくらいしか、思い出せん。

 それより、頼まれ事の方だな。


「“緑道”はどうした、生きてるか?」

「ああ、それなんだけど……見てもらった方が早いか」


 背後からアレクシアの声がして、引っ張り起こされる。俺の方が背は高いんだから、そのまま後ろに倒れそうだ。

 どうにか姿勢を正して後ろを向くと、気まずげな勇者の目線の先に、後ろ手に縛られた幼い少女がいた。


「キミのことにかかりっきりになって半分、忘れてたんだけどね。降参するというから、とりあえず拘束しておいた」

「そのう……なぜか、縮んでいたんです」


 魔女と聖女の説明を受けて、改めて少女を観察する。もともと小柄だったけれど、今はさらに小さい。歳も十に満たないんじゃなかろうか。

 凜々しかった顔はいたいけで愛らしい造作に変わり、魔族マステマ特有の白黒逆転した目であっても、不安げにこちらを見上げられると罪悪感ばかりが湧いてくる。


「魔王と同じで、姿を偽っていたのか」


 体型に合わない服はずれ落ちて、半裸を晒す羽目になっているが、幼児体型を露わにさせるのも哀れに思えた。


「父様のお力だ。あの方の能力スキルは、配下の肉体や能力を変更できる」


 しゃがみ込んで服を直してやると、ソーマは目を逸らしながらそう言う。


「父様?」

「私は……あの方の、娘だ。父様が敗れた以上、魔王軍の主は私ということになる。侵略の責を負わせたいのなら、好きにしろ」


 幼い声にそぐわない、堅苦しいことを抜かした。

 好きにしろと言われても、魔王とその体を乗っ取った大魔王が滅んだ以上、こいつにどんな責任を負わせるっていうのか。


 そりゃまあ幼いとはいえ幹部の生き残りである、連合軍に引き渡せば、喜々として公開処刑にするはずだ。

 魔王軍には恨み骨髄に徹している者も多い、彼女がどんな目に遭うかは、想像に難くなかった。


「大人しく軍を引いて帰ってくれるなら、見逃してやってもいいわよ」


 魔王に助命を頼まれたこともあって、少女の処遇を悩んでいたら、腕組みしたアレクシアがあっさりと宣言する。


「アレク、いいのか?」

勇者あたしの役目は、魔王を倒すまで。どのみち新大陸に攻め込むわけにもいかないんだし、へたに残られるより、まとめて逃げてくれた方がいいわ」


 たしかに、敗残の魔族や魔物にいつまでも隠れ潜まれるのはまずかった。

 そして帰る手段があるうちに、まとめて引き上げてもらうなら、それを率いる指導者はいた方がいい。


 もっとも、そうやって生き残った軍が再編され、またこの大陸を襲ってきては意味がなかった。

 各国の傷跡は深く、それに対して敵の領土は無傷なのだ。


「魔王のやつが戦う直前、新大陸には自分と同等以上の勢力が群雄割拠している……と語っていたね」


 キャロラインが顎に手を当て、考えを巡らせる。


「それに対する防波堤になってくれれば、ありがたいかな。細かいところは沿岸諸国の王たちと詰める必要があるだろうけど」

「当然ですけど、第一に捕虜の皆さんは解放してくださいね」


 俺の横にしゃがんで“緑道”に目線を合わせながら、マルグリットが釘を刺した。

 なんだか保母が園児をたしなめているようで、可愛い。


 どうやら魔女も聖女、勇者の意を汲むつもりのようだ。

 まさかソーマの幼い容姿に絆されたとも思えないし、徹底して敵を滅ぼす道よりも、早期の幕引きを望んでいるんだろう。


 ツバサがいなくなった以上、魔王軍が再侵攻してくる可能性は低い。あいつが旧大陸に攻め込んできたのは、あくまで新大陸での恨みを晴らすためだ。

 それは今のところ俺しか知らない話だから、うまく軍の上層部に伝えないとな。


 どちらにせよ、戦争を長引かせたくないアレクシアの提案には、賛成だった。

 むしろ“緑道”の方が、思いがけない提案に戸惑っているようだ。


「……いいのか?」

「魔王軍のしでかしたことは許せないし、あんたには痛い目に合わされた恨みもあるけどね。落とすべき首は、もう落ちてるもの」


 少女の後ろに回り込んだアレクシアは、彼女を縛っていた縄を解く。

 なお信じがたい、という顔で手首を確かめながら立ち上がったソーマは、同じく身を起こした俺を物問いたげに見上げてきた。


「お前も。私たちが憎いだろう」

「どうだかな……まあ、ガキがあんまり、無理すんな」


 思い詰めた顔をした少女の、頭を撫でる。

 こいつは大魔王の策略や、魔王の怒りに巻き込まれただけだ。年端もいかない子供に責任を押しつけるなんて、大人のやることじゃない。


「子供扱い、するな」


 不満そうにしながらも俺の手を拒もうとせず、頬を膨らませ唇を尖らせる表情は、子供そのものだった。


「イアン……」

「まさか……」

「あんた……」


 キャロラインが、マルグリットが、アレクシアが、なぜか顔を引きつらせている。

 ん? なんだ。どうした。


「そんなちっちゃな娘にも手を出す気?」

「はっ倒すぞ」


 人聞き悪すぎるわ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る