雨上がり

いつの間にか雨が止んでいる…

窓を開けたら

雨の名残を含む風がするりと入り込んできて

首にかけた銀のcruzをふわりとゆらした

 

濃紺の夜空に広がる大きなNorthern Cross

こうして仰ぎ見るのは何年振りだろうか

何故か以前より一層輝きを増したような気がする

 

心にふと浮かぶのが

今までお前の冷たい墓石だったのに

あいつのあたたかい笑顔へと変わってきたのは

一体いつからなのだろう

 

晴天とはまだ言い難いが

心の雨が止んだその分だけ

少しずつ 少しずつ

悲しい記憶が優しい記憶へと変わってきているような…そんな気がする

 

嗚呼 そうだな

俺は大丈夫だ

前を向いて歩いている

案じることはない

 

あいつと一緒なら

俺は何処までも行けそうな気がする

 

そう 信じているから…

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