なんかかきたろう

昔のことが妙に思い出される。それは、喜びのシーンでもなければ悲劇に身を引き裂かれているシーンでもない。はたから見ればけちな喜劇だ。そんな金にならない喜劇が(しかしそれは私にとっては喜劇でもない)が私の脳内を闊歩して、言葉にならない、毒にも薬にもならない物を私の心に植え付けて去っていく。

 全てを忘れて

 もっと自由に

 誰も見てない……

 川の流れをみている。雄大でたくましく自信にあふれた川だ。辺りの静謐さをかき消す流れの音。その音を聞いている。

 ゆく川の流れはなんとやら。しかももとに水になんとやら。

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なんかかきたろう @nannkakakio

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