うちのもふもふが恋のキューピットだった件
あっくん
序章
序章その一 【side??】お・か・え・り
緑の丘にある、とある産婦人科病院。
ここで今日新たな命が生まれようとしていた。
わらわはここ緑の丘の土地神。本来一個人の出産に立ち会うなど、あり得ないことだが、今回だけは特別だ。
今は父親になろうとする男の妹に神懸かりして、母親の出産を見守っている。
まだ若い父親はわらわの神社の安産お守りを必死に握りしめているが、元々わらわの神通力で出産には問題ないことは分かっている。
「おぎゃ、おぎゃあ!」
やれやれ、どうやら無事に生まれたようだ。
「お父さん、おめでとうございます。女の子ですよ! もちろんお母さんも無事です‼」
看護師が嬉しそうに父親へそう伝えた。緊張していた彼もほっとしたようだ。
しばらく待って看護師にこの子にとっての義姉と姪がいる病室へと案内される。
まだ皺くちゃでお猿さんのようだが、将来は母親似の美人になるじゃろ。
わらわの神通力で赤ん坊の魂の根源を見通す。ふむ、間違いない。
わらわは生まれたばかりの小さな赤ん坊へそっと声をかける。
『お・か・え・り⋯⋯ももよ。今世こそお主が愛する者たちと一緒に幸せになるのじゃぞ』
これは飼い主とその幼馴染の恋を応援した、一匹のもふもふの物語⋯⋯。
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