アカ

荒野に咲く一輪の花


周りには何もない・・



あるにはあるが「彼女」が眩し過ぎて見えないだけ


「彼女」は自分を真っ赤に彩り、見る者を幸せにしている


輝きの裏には苦悩、挫折がある


よく見ると「彼女」表面は汚れ、穴があき、茎の部分はズタズタになっている


けれど折れることはない、倒れることもない


それは力強さを物語る


意志の強さを語っている


「彼女」に手を触れるものはいても


潰す者はいない


ただ触れて、強さを貰うだけ


何故赤いのか


問いかけたモノもいた


「赤が好きだから。血の色だけれど美しいから」


決まって「彼女」はそう答える


皆に生きる力強さを与える


血の赤を司る花は


今日も無限の荒野で


咲き続ける


倒れることもなく


折れることもなく


・・・・・・・・・・・・・・


え?これを語る貴方はだれかって?


僕が見えない?


うん、そうだろうね。


いつも「彼女」の側にいるのだけれど・・・


だれにも僕は見えないみたいなんだ


でも目を凝らしてみてくれないか?


「彼女」の足元を


そうすれば


僕のことも分かるよ


・・・・・・・


分かってくれたかな?


でもいいんだ、僕は見えなくたって


「彼女」を支えることができれば・・・ね

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