22時の約束

凪 景子

第1話

 4月。

 

 東京都、杉並区。現在21時35分。夜はまだ少し冷える。


 私はベランダで、22時を待っている。22時ちょうどを。


 そろそろ時間だ。部屋に入ろう。


「もしもし、俺。」

「もしもし、私。」

「お疲れ。」

「お疲れ様。今日は何かあった?」

「今日はすげー疲れたなぁ…。」


 彼からの電話。22時の約束。至福のひととき。

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