人狼国

第33話 はしごの上の人狼

夜になっても、誰も戦略の相談に来なく、それに違和感を感じたムールイは家を出て、選ばれた人狼を探し始めた。近隣の人狼にも呼び掛けて、大勢が選ばれた人狼を探していた時だった。


「あそこに、誰かが座っているぞ!」


誰かがそう叫び、その方向を見てみると、確かに耳、しっぽの生えたがまたぐようにして座っていた。


「すでに、上っていったか!?」

「い、いえ、誰もそれは見ていません……」

「なんだと……? じゃあ、あれは一体誰なんだ……?」

「暗いせいで、光を当てても見えづらく、特定できません……!」


たちまち、大勢の人狼たちが、はしごの下に集まってきて、またがって座る人狼を見つめていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る