第24話 お前のせい

「誰のせいだと思ってんだよっっ!! ああっ!?」

「パ……」

「家の中にいなきゃならないのに外に飛び出していくからだろっ!!」

「ご、ごめん、な……」

「だめだっつってんのに、お外であしょぶ~あしょびたいって言うからだろっ!! だからネルコが、聞かないお前を追いかけて行って、殺されたんだろっ!! 違うか!! お前が外に行かなければネルコは死ななかった!! ネルコが死んだのはお前のせいだっっ!!! ネルコを返せよっっ!!!」


バコッバコッバコッ……


唾を娘の顔に吐き散らして、肩で息をしながら、俺は何回も何回も満足するまで娘を殴り続けた。


「はぁはぁ……」

「……」

「勘違いすんな。お前のことなんか最初から愛してなんかない。お前は、俺の初恋を奪った憎いあいつの娘だ・か・ら・な!!」


もう決して動きはしないのに、俺はに吐き捨てるように言った。



「急に二人も亡くなって辛いでしょうに……」

「ええ……娘は事故で……」

「かわいそうに……」


、俺はネルコを返して欲しかった。

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