第2話 人間国

人間国は日曜日にやってくる人狼のために一週間かけて対策をする。その人狼が大柄なのか小柄なのか、何も分からないからだ。

日曜日の夜だけに壁に現れる鉄製のはしごは選ばれた人狼だけが上ることが出来る。だから人々はまず、どんな狼が来たのかを即座に確認できるように、はしごがよく見える場所に見張り台を作った。人狼にバレないように観察をしてトランシーバーで戦うために編成された人々である「軍」のリーダーに伝える。伝えられた情報をもとにリーダーは随時、軍の構成や戦略を変えたのだった。


人間国のリーダー、トポルガンはとても優秀であったために推薦されてリーダーになった男だ。戦略を考えて人々をまとめ、また迅速に、臨機応変に物事を変えることができて、何より戦うのが強い。そんなトポルガンを人々は尊敬していた。彼はまた、【Respectable person】であったからだ。

彼のもとで、人々は訓練に励んだ。いつだれが襲われるか分からない。人狼に選ばれた者は耳と尻尾が生えて、人間一人では敵わないくらい、とてつもない力を持つようになる。だから、男性だけでなく女性も子供も訓練を志願する者は多く、その人たちは軍と一緒に訓練したり、または軍より軽い訓練をした。そして、人々は武器や防具によりお金を使い、防衛を強くしたのだった。

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