人は右/車は左/溝板を踏み抜く人を見下ろしている


 人は右/車は左/溝板を踏み抜く人を見下ろしている



 再び、人は右、車は左について。今度は打って変わって、狭い道での閉塞感を覚える。

 狭い一方通行の道で、車高の高いボックス車が幅を寄せてくる。

 その隣を歩く人は避けようとして、溝板を踏み抜いてしまう。慌てて足元に目をやる歩行者。

 運転手は他人事のようにそれを見下ろしている。視線は上から下への一方通行。

 人の怒りと運転手の無関心、右から左への一方通行だ。

 縦横高に交差する三筋の一方通行が一首の中に存在する。

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