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ヱ昊稀


今、原色の主人公に為れる

宵に毀れる景色はくすんで泥の河を游ぐ身は

秋の並木を辿るよう、今もゆめうつつ

何処から 彼方まで。底はこおりついた熱視線が降る

亡者共のうわごとの煩わしさ、此処に痛くもないのにとどめを

はじまりの陽に天獄幸に焦がれ あたまがいたい

喜怒哀楽の天気雨

果たして生きているかどうかも危うく伝染る

手の内は蛍尾の残滓 祖は躍り、いと繋いだmobile.

煙管を擽る 無作為の金平糖を頬張る 破れ目の酷薄、滔滔

賽の目を覗く、ただ青い残照の星座盤 漫画の中の出逢いで。

過度値で縺れたカレシと灯前、好いに感けて希求は富んだ

いや孕み過ぎた。実りの意図が外れた胡蝶たちの死後世界にて

草臥れた平行線、サイレンとテレヴィジョンは耳沿いに砂漠を抱く

感情も危うい未知に容易くも筝切れたBGMは可笑しくも嗤えない

モノクロのアニメーションに入り込んでしまった意志

絵本の中心は私であるとして一体、居間にわに いない走馬灯

思いの丈、パノラマで吊った因果を楽しんで。

鳴禽は口伝にうたい、輪廻は頬を赤みに下り 尾を弾いた泪と灯り

祖の陽、水面とは同じ未知を辿るとなると 其処は至極四季

弔いの月光花。もう賽の河原と知って、

ヒトでは/ナクなる

多勢の愛を貪り、己が浸蝕され腐り落ち、春に栄えては

胤が絡んでいる:だのに花は咲かぬ

聲をなくした愛があぶくとなって忘れ得ぬ後悔を纏わせて。

嘔吐いた綻びが華美に這え、あなたの背に刺さった 銀翼に充ちる

これは共にあなたに在りたいと、限りなく叫びたい

又は身違えた、とうぜんの糞か

したたかに水面に揺蕩う贋作のひと、忘れ形見の星屑

泪ともに 縷々 瞬いている水葬。

廃石を象る人魚の軌跡は鎮む 

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