第3話 私の小さな恋心

放課後。


私はいつも一人で教室にいる。


放課後の教室なんてすることがないものだから、みんなは帰っていたり部活をしていたり。


でも、私は教室の窓からいつも彼を見ている。


彼を見ていると幸せな気持ちになる。

彼を見ていると生きていて良かったって思える。


大袈裟だという人もいるだろうけども、そうではない。私は、いつもそう思うのだ。


私は見る。


彼がグラウンドでバットを構えているのを


私は見る。


彼がグラウンドでバットを振るところを


私は見る。


彼が風を切るように走っているのを



私は見るたびにドキドキが止まらない。知っているのだ。


これが恋だって。


でも、君には好きな人がいると噂されている


クラスの中心にいつも立っている陽キャが好きだと。


諦めたい。

諦めよう。

でも、諦めきれない。


桜が舞い散って積もっていくように、私の恋の気持ちもどんどん積もっていく。


例え、この気持ちが砕けてしまってもいい。


私は強がる。


この気持ちを、彼にぶつけよう。

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