第34話 感謝祭《カルネバリ》
「
「きゃあ、可愛い。バースちゃん、こんにちわ!」
ラヴィニアの娘、リーニァがレッサーパンダにそっくりな「
バースを抱き上げて
「井出
リーニァの兄、マークが井出に挨拶して来た。『
「こちら、ネコッカ・アセセッパさん。僕の乗る『試作
「よろしく、ネコッカです。
マークから紹介を受けた人物はドワーフ族の男性だった。背が低いががっちりした体格、そこまでは他のドワーフ男性と同じだ。しかし髭は剃っていて無い。黒縁の眼鏡を掛け、髪は
「エマから頼み事があると聞いています。用件を聞きましょうか?」
井出たちは「
「あのね、ライフルの方は良いんだけど。拳銃がね・・・。銃身が長すぎて使いにくいの。何とかなる、ネコッカさん?」
井出はおや?と思った。いつもなら大人っぽい話し方のエマがネコッカに対しては少女のような口調で話すからだ。二人はかなり昔からの知り合いらしい。
「ふむ。確かに7.5インチの銃身を短くしたいからと言って、ただ切れば良いってもんじゃない。これを5インチにすれば良いんだね。あと
マーリン製のM1894レバーアクションライフルの口径変更は簡単だった。元々44マグナム弾を使用するバージョンがメーカーから発売されていたからだ。しかし拳銃の方が難航していた。現代のコルト製
何度も試してスタームルガー社のスーパーブラックホーク、ニューモデルに落ち着いた。暴発の心配が無く6発全弾
「しかし凄く精密なイラストだね。いや写真って言って構わないな。」
「ホント、ビックリしたよ。
井出の感嘆したような
この「
赤、緑、青、黄色、黒の五色を順番に使って紙に色を乗せてゆく。色を重ねる毎に拳銃の姿形が明確になって行った。黒を入れた途端、まるで写真のような出来栄えのイラストが出来上がる。エマは最後に拳銃の各部に必要な寸法や仕様を書き込んだ。今、それをネコッカに渡したという訳だ。
「うん。大体判ったよ。先ずは銃身を何本か試作して見る。試射に使う弾丸も分けて貰うね。出来上がったら駐在所に電話を入れるから『保安官の町』まで取りに来てくれ。七日くらいかな。」
エマ直筆の「仕様書」とブラックホークを受け取ったネコッカは「保安官の町」へ帰って行った。
「おーい、井出君! 今日は良い物を持って来てやったぞ!」
ネコッカと入れ替わりに保安官テッドが駐在所にやって来た。「良い物」と聞いて、居間でテレビの正月番組を見ていた真由美やアヤも集まって来る。ピートと「霊獣」バースも一緒だ。保安官テッドは氷が敷き詰められた木箱を持っていた。
「ほら、これが前に話した『
木箱の中には大きな肉の塊が入っている。一見したところ、大きな魚を
「お! マグロそっくりの味だな。こりゃ
「ホントだ、
「ほしたら、今日は
「これ、本当に美味しいです。テッドさん、ありがとうございます。」
井出と三人の女子高生は久々に食べる刺身の味に感激していた。
「ちなみに『
その日の夕食の時、エマがこの生物のイラストを描いてくれた。子供の頃「ホルビーの里山」に行ったら
「まあ、美味しいから見た目はどうでも良いよ! 皆、食べよう。」
再び、鉄火丼(?)を
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