敗者復活戦からの下克上!
左打席に立った俺は「
1球目はよく球筋が見えすぎてタイミング外してファール。そして2
「
先輩たちが大声を出してくれたが俺は首を
次の試合はベスト16入りをかけた大事な試合。しかし青学は5回途中0対3で抑えられていたところ2アウト2塁1塁のチャンスに俺にお呼びがかかる。
「最低でも四球を選べ。」
ま、そんなもんだよな。相手
「ファール!?」
ファールかと思いきや風を切り裂いてボールは左翼ポールに当たる。同点3ラン。勝利を目前とした相手ベンチが静まり返る。
俺のシニアでの公式戦第1号本塁打はわりと渋めだった。「1年坊」に、しかも「木製バット」で打たれてがっくりきたのかそのあと相手投手が崩れチームは勝利して16強入り。
ところが、準々決勝でまさかのサヨナラ負けを喫す。全国の切符を獲るには
そこで代打にお呼びがかかる。
「最低四球で出塁して盗塁で二塁まで行け。」
監督の無茶ぶり。
俺がボックスへ向かおうとすると三年生の主将で
「沢村、おまえに繋げればなんとかなるって気持ちでみんなで守ってきた。ここはなんとか頼む。」
俺は息を深く吸ってから「はい」とだけ答える。「なんとか」ねえ。相手投手は今大会屈指の好投手。中学生ながら140km/h近いボールを投げる。高校生相手でも十分に通用するレベル。そしてボールが重い。いや俺の前世の時代だったら十分に甲子園レベルだ。
速球に目は付いていくがパワーがついていかない。
最後はスクイズで本塁に生還。チームのサヨナラ勝ちに貢献した。
「沢村よくやった、全国大会でスタメンで起用もあるからな。外野は
と監督に告げられる。俺はどうやら秘密兵器らしい。あれ、「ミニゴジラ」の二つ名とはなんだったのか?
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