第3話 今度の人生は、王女様

はい!やってきました、五度目の転生!

ちょっとテンションがおかしくなっているけれど、そのうち戻るわ!!!!


あぁ、私ったら何度失敗するの?


そして沈黙の魔女と呼ばれた女は、またもや最初の人生と同じ世界に転生してきたようです。


「えー、まじか~」


私が魔女だった頃に住んでいた沈黙の森のある、メイドインヘル帝国だわここ。間違いない。


ただし時代は500年後。

世界地図はちょっとというかけっこう変わっていて、小国がいっぱいあったのが大国に取り込まれているわね。


ちっ、私を騙した王子の国、まだある。

フレーザー王国。

地図を見ているだけでイラついてきた。


いっそ今世で滅ぼしたろか、コノヤロウ。


あぁ、でもそれはさすがにダメ。

私はよき魔女になり、心を入れ替えて今世をまっとうするの。


さすがに何度も転生すればわかった。為政者がいくら悪に手を染めようと、善良な国民を犠牲にするのはよくないと。いくら惚れた男が悪人でも、街には優しい人がいて、友達もできて、平凡な日々はとてもありがたいものだって。


だから、滅するのは敵だけでいい。


うふふ、そこはねぇ?だって、ねぇ?やられたらやり返さないと……ねぇ?

善良な魔女には程遠いかもしれないけれど、今世こそ愛し愛され幸せになりたい!


だいたい、そろそろ精神的にもたない。


もう限界。


転生し続けるのがこんなにしんどいと思わなかったわ。


魔法の研究もして、今世で転生を終えるようにしようかな。きっとそれがいい。


もしも今世がダメでも、もう次のターンに挑む気力はない。


これまで私がやらかしたことは清算して、おとなしく天に召されよう。


そう決めて、私はラストの人生を踏み出した。


メイドインヘル帝国の第一王女・ユウナリュウムとしての生涯を――

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