右利きのアドレナリンが出て左利きになった話

右利きの加藤レオン

みなさんこんにちは。加藤レオンです。僕、加藤レオンは右利きです。生まれた頃から？なのかは、わかんないけど。

右利きに理由があるならば、つむじが右にあるからとか。日本の古さが原因で右利きとか。

まあ、いろいろあるけれども、右利きが主流の社会なわけで。多数決という不平等な制度で、左利きは少数で弱い存在で。でもそんな左利きに憧れたりして。でも、実際なってみたらなってみたで不便なことばっかりで。

給食の先っちょが尖ってる系のおたまが逆だったりとか。ハサミが切れないとか。改札とかいろんなものが右利きに合わせられてて。

今は結構左利きも少し多くなってきたからか、左利き用のものが開発されているけれども。まだまだ右利きが王様な時代で。

なんでそんなに左利きの意見を言うんだって？

はは。簡単なこと。僕は左利きマイスターで、幼い頃からずーっとずーっと、左利きに強い憧れを持っている。強い憧れだけではなくて、左利き検定一級も持っているし。左利き免許（AT限定）も持っている。

要は左利きになりたい右利きってこと。

最近は、左利きになれるっていう薬「ヒダリキーキー」を毎日飲んでいるし、左利きになりたい人が集まる宗教団体「レフト教」の幹部にまで登りつめた。

これでやっと左利きになれるかと思えば、そうではなく。

左利きになりたい師匠が言うには、「左利きになりたければ、右利きを極めろ」とのこと。僕はその意味を理解せずにここまで来たけど、左利きになるためには考えなければいけない。

ということで、僕は今から右利きマイスターにもなることにした。右利きマイスター教室には週四で通い、右利き検定と右利き免許（AT限定）の勉強を始めた。

右利きになれる薬「ミギキッキ」も毎日飲み始めたし、宗教団体「ライト教」にも入った。

それからは全く覚えていない。

とにかく集中して。とにかく右利きのことだけを考えた。夏休みの自由研究で、左利きの成長記録を提出した僕がだ。

とにかく嫌だったのだろう。

友達から聞いた話だが、「ライト教」と「レフト教」での決闘があったみたいで、僕が一人で「レフト教」を叩きのめしたらしい。左利きのみなさんに謝りたい。左利きの心臓と言っても過言ではない「レフト教」を消してしまい本当に申し訳ない。

多分、右利きのアドレナリンが出ていたんだと思う。

それでつい、やってしまった。申し訳ない。左利きになれた暁には、生まれ変わった「レフト教」をまたイチから作るので、許してください。

って、あれ？

これ左で書いてる。あれ。僕、左手でペン持って左で書いてる。そういえば

「記憶をなくすくらい、右利きのアドレナリンが出てきたら左利きの始まり」

と、左利きになれない師匠が言っていたな。そうか。僕は念願の左利きになれたのか。

ってあれ？

左手で書いてたら、左手が真っ黒になってる！左利き無理！右利きに戻りたい！あ、そういえば

「右利きに戻りたければ、それ相応の覚悟が必要だ」

と、右利きの師匠が言っていたな。いや最後になって薄いじゃないか師匠！そうか。師匠は左利きになったことすらなかったのか。ならわかるわけがない。

そうか。このまま一生左利きか。

嫌だな。

※ちなみに筆者は左利きです。