いいか言語の研究
ジュン
第1話
お久しぶりです。ジュンです。
さて、先日『モア・グッドバイ・ザン・ノット』でショートショート24を書き終えたわけですが、また、なんか書きたくなって今回は文芸論を書こうかなと思った次第です。
ものを書くといろいろ悩みますよね。悩みませんか?僕は悩むんだけどな。
①表記
言うという
ある政治家は言う。「次の首相は田中覚造になるだろう」
この湖には人魚が棲むという。
具体的に明言してるときは言うだし、なんとなく「そのようにいわれている」場合はいうになるのかな。
何となに?
箱のなかには何がはいっているの?
お願い事ってなに?
具体的な「もの」は何、抽象的な「表現」はなになのかな。
②感嘆符!疑問符?
感嘆符!疑問符?の付け方って悩みませんか?
そうなんですか(納得)
そうなんですか?(疑問)
納得のそうなんですか、は?いらないけど、疑問の場合は?付けたい。読者に分かりやすいように。似てるけど
どうなんですか、は疑問しかあらわさないですよね。だから、逆に?付けなくても誤解される余地がないから?いらないともいえる、疑問文なのに。
驚きました!
驚きました?
驚きました!はマジックの客のせりふ。驚きました?はマジシャンのせりふ(笑)。
③二重カッコ
「なんとか『かんとか』なんとか」
一般に、本のタイトルは『』を用いるとなっている。
『方丈記』
「行く河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず『方丈記』(鴨長明)」
どうですか上の文?ごちゃごちゃしてますよね。
文章って、ある程度書き慣れてくると、書く内容より、形式、つまり表記の方で悩むことの方が大きくなってくる。内容なんてなに書いたっていい、表現の自由だ。問題は表記なんだ。これは、推敲とはまたちょっと違う。
日本語って、漢字、ひらがな、カタカナ、音読み、訓読み、送り仮名、ルビ、縦なか横、とか、表記法がすごいいっぱいあるから、内容より、表記で苦しむことになりがちだ。
『いいか言語』という考え方
とりあえず意味伝わっただろ?だいたいわかるよな?でよしとする言葉表現を僕は『いいか言語』と名付けた。「いい加減」と「いいか」(わかったよな)の両方にかけた造語だ。
紙媒体からデジタルデバイスに代わってくなかで、言語表現も大きく変わってきている。内容の変化は時代時代の「知識」の変遷を映すが、形式の変化は時代時代の「技術」の程度を反映したものだと思う。デジタルデバイスは技術革新を意味しているから、その影響は、「何を書くか」より「どう書くか」を変えることに強く現れる。例えば、編集や組版の読み手の側の自由なカスタマイズ性であったり。
「なにを書くかなんて、現代はどうだっていい」といい放ったのは高橋源一郎だった。そうだと思う。「文学?文学なんてもうありませんよ」と言ったのも同氏である。さて、「どう書くか」については、まだ、議論の余地がある。そこに「いいか言語」の研究が一石を投じることができれば、幸いである。
いいか言語の研究 ジュン @mizukubo
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