第22話

妹に笑われ①


私は極度のブラコンだったので、姉をその対象にして、幼い時に可愛がった妹は放置していた。姉も私と分数のかけ算の謎に夢中だったし、母もきめ細かい躾をした私らとは違い、放任主義で通した。だから妹は友達を大切にした。そして、共通の会話が無いのだ。私が中学生の頃、もらった石山くろと二羽の石山しろの世話をするのだけは仲良く出来た。そうして姉妹に一羽ずつ手のり文鳥を与えられるのだが、圧死、水死と立て続けに雛の白文鳥を二羽失う。私達人間の不注意なので、自戒した私達だった。残りの妹のクロがぶぶさんになって、やがて私の中でウーシャになった。ウーシャは攻撃的な桜文鳥だった。雛換羽を終えて美しくなったウーシャは雛文鳥の方が可愛いと私に思わせた。なんとかウーシャのマウントをとれないかな?と沢山遊んだ。ウーシャはくちばしに指を向ける私に大激怒して、両手の爪の横のさかむけを引きちぎり私を威嚇した。私は鬼畜なブラコンなので、それを誇りに想い、ムツゴロウさんみたいな事が出来てるかもしれないと自惚れた。私に一番なついてほしかった。だから(不衛生だから絶対に真似したらダメだよ)歯くそをついばむという仲にした。(ディープキス?)だが私の大切な義弟ウーシャはよく家で共にお留守番している母にとてもなついていた(母の手がとても暖かいのも理由のひとつかもしれない)ので、お薦めは大変危険だから出来ないが大空放鳥されていた。そんな毎日のある日、ウーシャが空から帰ってこなかった。私達は近所を走りまわった。やがて中学生の時にお世話になった塾の先生の近所でウーシャは見つかり保護された。

それからウーシャは二回の骨折の後で、その治療の最中、副え木をあてられ、サンドイッチのかごで療養中の時に、執拗にわが家を狙う野良のシャム猫に居間に住居侵入されてくわえ拐われてしまった。なぶり壊し食いちぎられるウーシャを思うと私達家族は反猫派として長く生きた。今では私は室内猫は許せる様になったのだが、野良猫は猫島の猫以外、水鉄砲でやっつけてやりたい。有刺鉄線も日なたぼっこに来る猫の為に買ったモノだ。今はチワワといる生活を選んだから思いもしないが、昔、脳ミソが壊れたので文鳥をほてい出来なく泣く泣く飼育を諦めた私は、ロシアンブルーという文鳥に似た気高い猫とチワワのどちらを買うか悩むぐらい私の反猫派の威力は二度目のはつ恋の相手のお陰で柔らかく溶けてしまった。猫嫌いの仲間から嫌われるくらいだ。そんな私を見おろすのは音楽が好きな妹だった。

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