第14話

人形・おもちゃ④


アンティークドール(+雛人形他も)の話をする。昔見た少女漫画では、神出鬼没のアンティークドールに宿った悪者が主人公を殺そうとする「笑うマリアンヌ/(c)菊川近子」閉じ込められたデパートのフロア-で雛人形達に襲われる「楊貴妃伝/(c)美内すずえ」が怖くて再読できなかった。夜中にトイレに行けないくらいだ。今は多分大丈夫と思うが、当時は完全無敵の鬼門だった。そんな恐怖心を殺しながらアンティークドールの出来に凄いと思う。安くても諭吉が二桁なのだから当然(貧乏な我が家には無関係)なのだが。人間を意識した顔(特に睫毛で覆われた目玉)やさらさらの髪の毛や関節ごとに動かせる手足が素晴らしい。更に彼彼女らの纏う衣装は大量生産ではなく、一点モノだろう?だから、余計に(世界に一点しかないという稀少価値を認めて)高いお値段になるし、大切にされるのだろう。そして彼彼女らはお召し物を一張羅にする事なく、おそらくオーダーメイドで買い与えられるのだから、もう芸術としか言えないのだと私は思う。フリルの可愛いドレスやシャツ。ゴシックロリータを意識してるファンタジーを彷彿する歴史感。そして人間のミキハウス等の子供服が与えるミニチュア感が堪らなく可愛らしい。人間のお召し物では再現出来ないミニチュア感だから。アンティークドールの市場は有るのだろう。一度、お世話として、一緒に食事をとっているという人と話したことがあり、その時は、陶器で出来た唇や頬に食べ物をなすりつけるのか?と変な気持ちになったが、今は「家族の一員」なのだろうな?とまで、頭が働く様になった。食べ物で汚れた顔は丁寧に吹き清めれば良いのだから。以上が着せ替えが、とても楽しそうなアンティークドールに関する私の考察だ。残りは「着せ替えが出来ない」雛人形(目が小さい)を含む日本人形(きょろりとした目が美しい)についてだ。結論からいうと、日本人形は体に見える着物の箇所を貼り付けているだけだから、着物が着物の体すらしていない。また、アンティークドールと違って、固まった体型を動かす事が出来ない為に、面白さが欠ける。それでも髪の毛が伸びる日本人形の怪談は全国に点在しているし、点在してるのがごく稀なケースなのだから、日本中にあふれる日本人形も日本人他に愛されているのだろう。でもお召し物が完全な形をしていたら、私的にはもっと「萌え萌え」だっただろう。それは千代紙や和紙で作る紙人形にも言える。残念だ。

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