第7話

ぬいぐるみ②

「(忍法)くまくまっちゃっちゃ」と唱える「みずいろ」「あおいろ」「こんいろ」の担当は珍しく妹も参加していた。その事に何の違和感も感じなかったのだから、嫌な性格だと自分でも思う。そんな彼女らは忍術使いだった。バクッ中しながら「パンパ(忍法)」もしくは、くるりとまわりながら「(忍法)ビンボウグ」と唱え、その時その時に応じた忍法を発現させる。お師匠は「パンパ(忍法)と(忍法)ビンボウグの最高位」の術力者「しまちゃん」と「りすちゃん」の双子だ。「しまちゃん」は茶色のしまりすで「みずいろ」三つ児達より一回り小さい。姉が担当。一方「りすちゃん」は桜~桃色の色ちがいで私が担当だった。穏やかな優しい系の「きいろい」と「ももいろ」の双子達と違い「パンパ(忍法)」使い達はジャジャ馬ばかりだった。だが、優しい世界に包まれた彼女らに酷い事は起こらなかった。

彼女等には「ホワニー」という妹もいた。彼女はぬいぐるみではなくバススポンジなのだが、ぬいぐるみとして扱われていた。「まぁ」が担当していた。


そして、いつか「みい」「みゆ」「みや」と名乗れる日を夢見て、三つ児達は、今日もはりきって、訓練に取り組む。(どんな訓練をしているのだろうね)




彼女らとは別にふせをした半分くらいのサイズの垂れ耳わんこのぬいぐるみがいた。桜~桃色の鼻のフェルトがとれ舌のフェルトが目立つ「ちいはきわんちゃん」と茶色の両目のフェルトがとれた「めなしわんちゃん」だ。想像どおり「ちいはきわんちゃん」の担当は私で、「めなしわんちゃん」の担当は姉だった。彼女らも穏やかな優しい性格をしていた。彼女らは障害ドッグだった。取り柄は、健常でない事は、怖いだろう障害ドッグなのに、落ちついて人生?相談が出来て、他者を優しい気持ちにさせる事だった。

こんな会話「ねぇねぇ、ちいはきわんちゃん」とか「だよね、めなしわんちゃん」とかを聞いていたらファニー?(それとも痛々しいか不気味の方か)に思われるんだろうなと思う昨今の私だ。


そして、優しい仲間は他にもいる。

「かよ」の「うんこ」という茶色の犬と「まき」の「おしっこ」という肌色の犬のぬいぐるみは「うんちドリル」や「おしり探偵」が闊歩する平成や令和の今ならファニーな名前だ(笑)


パンダのぬいぐるみで、洋服を来た方が「ぱんぱん」裸で大きい方が「ぱんぱんせんせい」だ。じぇんとるな彼らは学校の先生とその息子だ。念のため「ぱんぱん

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る