アンの憂鬱
はぁと私はため息をついた。何故かと言われると理由は簡単で、私が好意を寄せている男の子が一向にこちらの気持ちに気がついてくれないからだ。私はとりあえず彼の妹に相談に行くことにしました。
「苺ちゃん、おはようございます」
「アン、おはよう。どうしたの?相談って」
「ううんと悠馬さんのことなんですけど、悠馬さんって結構鈍感なんですか?」
「鈍感も鈍感だよ。だって私があの人に助けられてから10数年好意を寄せ続けてるけど気づかないやつだよ?」
「うっ、そう言われると私はマシな気がしてきました...」
私と苺はよくこういう話をする。苺も私も同じ人が好きだ。そして多分リタさんも。
幸いこの都市も私の国も一夫多妻制は認められている。最後はみんなで仲良くゴールしたいものだなと私は考えていた。
その為にも彼には私達の好意に早く気づいて欲しいわけだけど肝心なところで本当に鈍感なんですよね。
何回もデートに誘っても彼はお出掛けだと言い換えてしまいますし中々難しいところです。
この際だからリタさんにも聞きにいきましょう。
「おはようございます、リタさん」
「アンさん、おはようございます」
「リタさん突然申し訳ないのですがリタさんって悠馬さんのこと好きですか?」
私は回りくどい言い方をするのが嫌いなのでストレートに聞いてみる。
「好き、というのがこういう気持ちなのかは私には正直わかりません。私はこういう経験初めてなので...。ただ彼を見ると無性に胸がドキドキして意識してしまうのです」
すごく乙女な顔で言われてしまいました。
「リタさん私も初めは初めてのことでわかりませんでしたが、それは恋ですよ」
「やっぱりですか...。昔文献で読んだ恋の症状と似たいたものでそうじゃないかと思ってたんです。ってアンリエッタさんももしかして」
「はい、そのもしかしてですよ」
私は笑顔で彼女に答える。この子もしかしなくても可愛いですね。私はそんなことを思いながらリタさんの様子を観察することにした。
簡単に言うとずっと悠馬さんを追いかけ回してただけでしたね...。トイレの時も食事の時も。あれでは少し悠馬さんが滅入ってしまいそうなので私が後で言っておきましょう。
しかしああ言ったアプローチの仕方もありかなしかで言われるとありですよね。好意に気づかれやすいという意味ではかなり有効的かもしれません。要研究です。
そんな事をしているうちにもう1日が終わりそうですね。また悠馬さんを放課後のお出かけと称したデートに誘わないといけませんね。
そうだ、今度はリタも一緒に誘ってみましょう。彼女はいい子なのできっと喜びます。
そう思った私はリタと苺と出かける約束を悠馬さんに取り付けたのだった。
———————————————————
アン視点の間話のようなものを書かせていただきました。ちょっとやってみたかったんですよね。昨日からたくさんの評価、pvありがとうございます!これからもこの作品をよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます