第5話 つばめ、料理する
さあ、第一戦のスタートっス。
実況はみなさんお馴染み!佐竹三雲がお送りするっスよ!
赤コーナーからはプリンセスホテルからは、サービス精神No.1!馬野ちゃんが出場でっス。
なお、対戦するメンバーにはサービスのために水着を着ていてもらってるっス!観客たちは目でも楽しむっスよ~!
「「うおーーーーー」」
プシューと白モクが発生し、堂々と登場する馬野。軽くシャドーボクシングして相手を挑発している。料理対決ですよね?
続いて、青コーナー!ほてる・座・まんはったんのBL好き!つばめちゃん!
「それを言ってはいけない!」
白モクの中から慌てて出てくるつばめ。隠していた趣味を暴露されてあわあわしている。
「おっと、これはつばめ選手、いきなり精神的ダメージですね。」
解説にはまんはったんの女将を招いているっス。よろしくっスよ。
「よろしくねェ。」
さあ、両者定位置につき、調理スタートでっス。
今回の採点基準は、味、見た目、勘十郎クンの好みそれぞれ10点!計30点満点っス。
作る料理はなんでもいいっス。食材は今回のためにプリンセスホテルが全国津々浦々から仕入れた新鮮なモノを用意してるっス。素材を生かしてサラダ作っただけどほっぺた落ちる美味しさっスよ!
制限時間は30分っス!
おっとここでつばめ選手!ダイコンを馬野選手の手に向けて振り下ろしたッス!!!!
いきなり場外乱闘っス!
「相手の腕をつぶして料理をできなくする。ルールのスキをついたいい戦法だね。」
料理をしてくれ!?
まあでも、いきなり包丁じゃないだけましか?殺しにかかってないし?
馬野選手!かろうじて避け・・・いや!違う!包丁を使ってダイコンをいなしたっス!!
はらり
!?ダイコンがするすると剥けていくっす!あれは。。。。鳥っス!つばめに見えるっス!あの刹那!ダイコンを防御するだけでなく、彫刻してしまったっス!すごい神業っス!
「馬野選手。見た目10点」
おっとー!ここで解説員から料理が出来てもいないのに見た目満点が入ったっス!
いきなりピンチのつばめ選手!どうするっスか!?
「う、、、まさかそんなことが。」
「オーホホホホ!久利呉藩流調理術!大根カッターですわ!選んだ食材が悪かったですわね!」
勘十郎は初耳だった。そんな調理術があるなんて。
隣にいる
「あれは…!選ばれたものしか伝授されない久利呉藩流術の一つ。噂でしか聞いたことなかったけど、すごいね兄さま!」
なんで知ってるの?
さあ、奇襲は諦めて料理を開始する両者っス!馬野選手は中華鍋を高火力で振るっています!一方つばめ選手は、、、レンチンを始めたっス!
30分後。。。
さあ、両者、一斉に料理完了っス!この小説は料理バトルものじゃないから、途中は省いたっす!
デデン!効果音とともに勘十郎と篝の前に料理が蓋された状態で運ばれてくる。
馬野選手!いったいなんの料理を作ったのかっス!!!
ぱか。蓋が外される。
赤い。赤と白のコントラストよ。。。
それは麻婆豆腐であった。開けた瞬間から鼻に来るほどの辛さを感じる。
これは!食べられるのか!?
諦めてパクっとひとくち。
「うまい!」
なんだこれは!辛さのなかに旨味が広がる!癖になる辛さだ!食べる手が止まらない!山椒が効いてる!水の味がいつもと違う!
隣の篝もうまうまと箸が止まらない。
「味9点!勘十郎の好み!10点!」
素晴らしいっス!計29点が叩き出たっス!
続いてつばめ選手の料理っス!
ぱか。蓋が外される。
海鮮をふんだんにつかったパエリアだ。
見た目からして美味しそうである。
楽しみにパクっと食べる。
!?
味がわからない!!
どういうことだ!
「味6点、見た目10点、勘十郎の好み6点」
おーっとどうしたことっスか!あんなに美味しそうなのに点数が低くないっスか~?
「な、なんで?味だって勘十郎さま好みに合わせたつもりだったのに!」
「甘いですわね。あまあまですわ。麻婆豆腐の山椒によって、舌が痺れているのですわ。味なんてわかったもんじゃないですわよ。」
「貴様!謀ったな!」
切れるつばめであったが、結果は翻らない。
29対26。第一戦はプリンセスホテルの勝利であった。
第二戦に続く
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