有機廃線 3:33


結べないまま砕けた廃線が

プラットホームの向かい側でゆらゆら


青空、軽トラックの荷台で

アイスクリームはキャラメルリボン

ビーズ売りの露天商

あの娘は青春の一部になった

幻想になったんだ


空耳メカニック

有刺鉄線が指先を焼く

きみが居なくたって夏休みは来る

欠けた皮膚はいつか塞がる

有機廃線の中を

並んで走る

車輪軌道の隙間を

じゃりじゃり(しゃりしゃり)

そうやってたら

そうやってるうちに

忘れてしまった

忘れてしまった


ガードレールで掌を切った

ついにかもめの声が途切れてくらくら


荷台は躓いて、ポップコーンが散らばる

あの海を全部、駄菓子屋で買った

透明のビー玉に変えたら

全部、虹色に染めて

最後にきみに見せるから


あの娘はオーガニック

渚にかき氷をばら撒く

ぼくが居なくたって夏休みは来る

切った指はいつか繋がる

無機配線の中を

ひとりで走る

立体配管を飛んで

どきどき(えいえん)

そうやってたら

そうやってるうちに

忘れてしまった

忘れてしまった


たった一度の夏が遠くなる

忘れてよかったのかな

もし、もしだよ

忘れなかったら

この鉄道のどこに

ぼくらはいる?


結べないまま砕けた廃線が

きらきらきらきら、きらきら、まだ、きらきら

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空Mi3Mechanic 泥飛行機 @mud-plane

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