第17話
「皆の者、
船団長さんが軍船の乗組員たちに号令する。いよいよ出発だ。私にとって四回目の
「
思わず一番近くの若い兵隊さんに声を掛けちゃった。歳は私と同じくらいじゃないかなあ。彼は赤い顔で答えたよ。
「恥ずかしながら、これが
「恥ずかしくないよ。私も
自然と言葉が出た。なんか自分より不安になってる人を見ると落ち着いて来た気がする。そっか私も
「おう、見えて来たな。あれがプロージアの船団だ。数は大小合わせて100隻か。
リーネオさんが沖を見て教えてくれる。ちなみにこちらは80隻だそうだ。向こうより、ちょっと少ないけど彼に言わせればイコォーマの方が船員の練度が高いので互角以上なんだそうだ。私も沖を見てみると大きな軍船に混じって小さな
「あれ? リ、
良かった、ちゃんと「あなた」って言えた。右を見ると湖の
「ん? ああ、あれか? あれは見物客を乗せた遊覧船よ。他には漁師の船も
リーネオさんのお話によると、あの遊覧船にはお金持ちの商人とかが沢山乗っててどちらが勝つか賭けをしてるんだって・・・。お酒と料理を楽しみながら優雅に観戦してるって、スポーツみたいな感覚なのかな? 人が死んだりするのにちょっと信じられない。
「別に珍しいことでは無いぞ? 領民にすれば気に食わない王が負けた方が良いこともあるからな。 もっと良い王様が領主になった方が生活が良くなる。 領民が相手方の王様を応援するなんてことも良くあることだ。」
そういうもんなんだ。でもゴルジョケアで戦に参加した時にはこんなことなかったよね。何故だろう?
「ペルクーリの奴は陰険だからな。領民が観戦に来たりしたら調べ上げて罰を与えたり税を引き上げたりする。しかも相手は小国ばかり選ぶ。勝って当たり前だ。賭けにならん。大体、アレが国王になって喜ぶほど馬鹿な民は
リーネオさんの答えを聞いて納得した。ペルクーリ王太子って本当に人気無いんだな。要するに試合組んでもチケットが全然売れなくて観客が集まらないわけだ。詰まんな過ぎて。
「りんおねいちゃん、おふねがいっぱいいるよ。すごいねぇ。」
ティタルちゃんが
「さあ、始まるな。マントゥーリ、お前も頼むぞ。」
なんとリーネオさんは水の上の戦いなのにマントゥーリ君を連れてきている。どういうこと? 泳いで戦うのかな・・・。
「
「まずは動きの軽快な
そう言うとリーネオさんはマントゥーリ君に
お互いの
「リーネオ・フォン・インゼル、参るぞ! 討ち取れるものならやって見せよ!」
リーネオさんが叫びながらマントゥーリ君で相手の
ディーナーさんは白い煙幕玉みたいなのを何発か投げてからリーネオさんを追いかけて次の敵船に乗り移って行く。そうか、こうすれば
良く見ると湖に落ちて
「あれはプロージアの味方をしている訳ではありません。ああやって助けた兵士から謝礼を貰うのです。
さっき声を掛けた若い兵隊さんが教えてくれた。なるほど
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