第6話
街に着くとリーネオさんはマントゥーリ君から私を降ろしてくれた。デッカイ手で
「今日も世話になったな! 明日の朝、またここで会おう!」
リーネオさんがそう言うとマントゥーリ君も一度、首を下げてから草原の
「アイツは街の
そう言うと私の肩を抱き寄せて街の中心に向かって歩き出した。もう片方の手にはデッカくて凄い重そうな
「
リーネオさんがカウンターの奥に大きな声を掛けると品の良さそうな中年の女の人が出て来た。私たちを
「
「うむ。
え? この人、私とディーナーさんと三人一緒の部屋取っちゃったよ? どうゆうこと?
「それでは
そう言ってリーネオさんは街に
「ここの
そう言ってリーネオさんは五人分頼んじゃった。あとパンとか一品料理とかお酒も頼んでる。でも私はお酒が飲めない。
「店主、この娘には
リーネオさんが先回りしてどんどん注文してくれる。あ、お
「しかし連戦連勝の【
「私は何にも悪いことしてません。て、言うかしてないと思います!」
「それでは説明になるまい。何か
う~ん。どうしよう。見た目で負けたからとか言いたくない・・・。けど、これ以上は会話が
「えっと、あのう・・・。私と戦って負けた【
私はもしかしたらリーネオさんもこの話を聞いたら「じゃあ俺も要らね!」みたいな態度を取るんじゃないかと思って内心ビクビクしていた。
「ん?
「その、私は背が高いばっかで
私は勇気を振り
「ふ、ふふ、ふははは! なんとペルクーリ王太子というのはそこまでの「うつけ」か?どうやら集めていた情報以上のバカよな。世の中は金さえあれば何でも思い通りになると
「若旦那! その割には金
ん? そりゃ千円を手に入れるために10万円払ったら、物の価値が判らないバカだよね。私も
「ほう! 中々、上手く言うではないか、
「違いないです。あっしなんぞ、その『金貨』を手に入れる為にどれだけ準備をしたことか! 全くの取り越し苦労でございました。」
どうやら「金貨」って言うのは私のことらしい。【
「あ、あのう。私の事をそんなに手に入れたかったということは、どこかで
私が質問するとリーネオさんとディーナーさんがお互い目を見合わせた。
「おい、
「へい、若旦那。これが本当の『拾い物』でございますよ!」
そう言って二人は大声で笑い出した。「拾い物」って、
「食事も終わった。これ以上の話は宿でしよう。ここでは誰が聞いておるか、判らんからな。」
リーネオさんはそう言って立ち上がった。この後、宿に戻った私は自分がどれだけこの世界のことを知らなかったかを嫌と言うほど知らされた。
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