第3話
「ほら、これがお前の
城の門番がぶっきら棒に
「あの、この短剣・・・。」
「うるさい! 古いとか不満ばかり言うな! さっさと行けと言うのに!」
門番が
「あのスイマセン。
私が女店主に言うと店の奥から品物を持って来て、目の前に並べてくれた。
私は小さな水筒と布袋に入ったパンと
「金貨一枚だね。それ以上は負からない。嫌だったら
「ふん。確かに。サービスで水筒の中身は入れといたよ。」
女店主は金貨を品定めしながら
これで旅の用意は出来た。私はどこに行こうか迷った。どうせ国境を超えたら刺客に襲われる。投げ
今から急げば日が暮れる前に国境を超えられるだろう。あの国は通商の盛んな国だから街道の人の往来は多い。上手くすれば襲われる前に宿屋に泊まれるかも知れない。私は少し明るい気持ちになって街道を進み始めた。
私は段々と暗い気持ちになって来た。歩きながら木の実を何粒か口に運ぶ。少し元気が出た。小さな水筒の水をちょっとだけ口に含む。トイレに行きたくないから、ちょっとしか飲まない。人通りの多い街道でも茂みの中とかは危ない気がするし。
休んで食事を
幸い追手らしき姿は見えない。街に着けば、路上でいきなり襲って来たりはしないだろう。もしかして神殿で聞かされた会話は、私が怖がって直ぐに国を出るようにとわざと聞かせたのかも知れない。意外とそうかもね。
そう思った時だった。私はハッとした。気が付くと周りに他の旅人が居ない。街道の先を見ると馬に乗った男たちが4人居る。皆、手に
そうか、男たちは馬で先回りして待ち
「へへへ、小娘が多少の
私の周りを取り囲んだ8人の男たちはバカにしたように声を掛けてきた。
「どうするよ? 直ぐに
「よせよ、こんな
男の一人の提案を他の男たちが否定した。金貨を持っているのを知ってる。ペルクーリ王太子の刺客に間違いない。私よりも金貨九枚の方に興味があるとか。最後の最後までバカにしている。
「さあて、さっさと『お仕事』済ませようぜ。」
男たちが包囲の輪をジリジリと
「おお! あれを見ろ、
見たこともないデッカイ馬に乗った大男がすぐそこに居た。横には凄く長い棒?を担いだ小男が従ってる。いつの間にこんな近くまで来たのだろう。
「あっしはディーナーですよ、若旦那。その
私を取り囲んでいた男たちの気が
「や、やい。邪魔する気か? おお?」
男たちが
「このような街道のど真ん中で
大男が静かに言った。けれど、声に
「ほう! 面白い。この俺に
大男さんが叫ぶと、辺りの空気ががビリビリと震えた。物凄い声量だった。
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