生活ミステリー部
Kohr.435円
第1測目 入学式と友
「あ、携帯忘れた......」
*********************
私は
変な部活が多いことでも有名な高校らしく、『草ww破滅部』とか『北海道研究部』とか『ドリンク部』とか、『スピードボール部』とか、『バックギャモン部』とか他の高校では、まずない部活が多い学校だ。
特に、『草ww破滅部』は去年のBGFで派手に生徒会チームに負けたとか......
その場に居なかったし知り合いから聴いた話だから、詳しくはないけど。
そして、今日は入学式なわけだが、さっそくやらかした。家に携帯忘れた。
朝、ちゃんと持ったはずなのに、家を出て10分ほどしたところの道で携帯を触ろとカバンの中を探したが無かった。本当に間抜けなことをした。
私はとぼとぼとガッカリして学校に歩いたんだ。
もうすでにやる気なくなったよ。私は昔から、髪の毛が長いのが目障りでほぼショートカットだ。
運動は得意だったし、こう見えて小学生4年生から中学3年生まで、『
今年から、高校からは杖道部から離れようと、杖道部のない高校を選んだ。
色々あったし。
高校から変わったことを......
なんて考えたりしている、というか思っている。
*********************
球菜は学校につくと、校門を通り、学校内に入ることを目指し、まっすぐ歩いた。
校門を抜けて棟がある。その付近で部活を勧誘している人、友だちとしゃべりながら教室に向かう人、そして、その場所を包みこむような桜の舞う花びら。
球菜は誰にも声をかけられずにゆっくりと歩き、学校内に入った。
校内に張り出されているボードをみた。球菜のクラスはどこなのか。自分の名前を探した。以外にも自分が来るのが遅いのかボードの前には数えるほどの数人しかいなかった。すんなりと探すことが出来た。
球菜のクラスは1年C組だった。
一番奥の教室だ。
球菜は、1年A組の教室、1年B組の教室を通り抜け、1年C組の教室に着いた。
中に入り、窓際の一番後ろの席に座った。
すると、一つ前の席の女の子が話しかけてきた。
「おっはよう! はじめましてだね!」
「......あ、おはよう......て、いうかはじめましてじゃないだろ? すずな」
「ふっふふふ、やはり高校の初日はそういう雰囲気で行きたいよね! はるたま!」
「はるたまってよぶな」
「そっか! ごめん!」
この女の子は
鈴菜は杖道は難しく、一度やってだめだったため諦めた。その後元々興味あった卓球をやりはじめた。卓球では才能が開花、溢れ、中学2で県大会1位、中3で全国大会4位の実力者だ。
球菜の
鈴菜は高校でも卓球部に入る予定のようだ。
「はるたまは、部活どうするの?」
「はるたまいうな。そうだな~、どうしようか? 高校はいいかな?」
ちなみにはるたまとは、鈴菜が小学5年生のときに勝手に急につけたあだ名だ。春日のはると球菜のたまではるたまらしい。
鈴菜は球菜と違って、陽気でいつも元気な女の子でポジティブで面白い。
球菜は、比較的静かで、天才肌で、なにをやらせても普通にこなせる。
この二人は昔、あの時から共鳴して繋がったのだろう。運命というやつに惹かれあったのだろう。
「すずなは卓球部か?」
「そうだよー」
部活の話をしていると、初日のホームルームが始まったのか、先生が教室に入ってきた。
「あ! 先生来ちゃった! また話そう、はるたま!」
そういうと、鈴菜は先生のほうを向く。
「よし! 今日から私が担任の長久保だ。よろしくな」
そして、少し時間がたつと、チャイムがなった。
球菜たちは、体育館を目指し歩いた。
これから本番が始まる(入学式)。
おのおの、席について、入学式が始まる。
ここからが長かった。今の時刻9時30分。そこからいろいろやって、11時30分に式が、おわり。昼御飯。
そして、13時から14時まで、自己紹介などのホームルームで終わり。
球菜の自己紹介はいたって普通。名前言って、中学の時は杖道部だったということをクラスのみんなに伝え、自分の番はすぐ、あっという間に終わり座って落ち着いた。
そして早くも放課後、帰り時間になり球菜と鈴菜は帰ろうと教室をでて、下駄箱に向かう。その途中、1年A組を抜けたところ、右手にある2階に行く階段がある。そこで、変な猫のぬいぐるみを着た人が男性を引っ張って階段を登っていくのが、見えた。その男性は助けてぇと叫んでいた。もう、助けられないぐらい早く登っていったのでどちみち助けられない。
「なんだ? あいつら?」
「さあ? ねこ?」
「そりゃみりゃあわかる」
「帰ろう、帰ろう」
二人は何事もないかのように帰ろうとしていた。
すると、下駄箱の近くで女性が転んで、なにやら大量のチラシをバラましてしまった。
「うわっ!! いたた......」
「大丈夫ですか?」
球菜と鈴菜はその女性に声をかける。
「大丈夫です......」
二人はチラシを拾った。
そのチラシは『生活ミステリー部』と書かれていた。
全部拾い終わると、その女性はお礼がしたいから部室に行こうと言い出した。最初は断ったが、断りきれず、鈴菜とその部活の部室にしぶしぶ、仕方なく行くことになった。
普通棟(1棟)の4階1番端の空き教室。
その扉には生活ミステリー部と書かれていた。
あける前から、なにやら音がしていた。
扉をあけると、二人の男女が指をパチッ! パチン!パチン! パチン! と何度も指パッチンしていた。
しかも、恐ろしい速さで。
「なにしてんのぉ!!!」
「紹介しよう! ここが生活ミステリー部よ!」
「ぶ、部活紹介されたし!」
球菜はこの光景に驚いて、思わずツッコんだ。
それが、球菜と生活ミステリー部との奇妙な出会いだった。
なぜ、指パッチンをしているのだろうか。
ー 1測目 入学式と友 ー 続く
生活ミステリー部 Kohr.435円 @katumata
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。生活ミステリー部の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます